2011年12月23日金曜日

礼実太鼓

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●ジュネーブで和太鼓の演奏を続け、指導にも励むRémi Clementeさん(写真提供 Rémi Clemente)




JB Press 2011.12.19(月)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/32653?page=2

広がれ和太鼓! 
大和魂を欧州に伝授するスイス人日本の和太鼓グループと草の根交流も続ける

ジュネーブ中央駅から徒歩数分の体育館に、毎週1回、10数人の男女が集う。
裸足になり、手には和太鼓のバチを手にしている。
4台の太鼓を囲んで、打ちの練習に余念がない。
そこに、ひときわ背の高いレミ・クレメンテがいた。
和太鼓の教師として、そして演奏家として活躍している男性だ。

■50人以上に和太鼓を教え、演奏もこなす日々

 レミは皆の様子を見ながら、姿勢や打ち方を教える。
 「こうやって叩くのだ」。
 レミが勢いよくバチを太鼓に叩きつけると、音の深みがまるで違う。
 心の芯に届いたかのような響きだ。

 レミは、ジュネーブ市と近郊に現在4つの和太鼓教室を持つ。
 始めて1か月というビキナーから4年近くという経験者まで、総勢50人がレミの下で太鼓を学んでいる。

 加えて、子供教室(6歳以上)もある。
 1回の練習は1時間45分(子供教室は1時間)。
 走ることから始め、打ちの基本練習、そして曲の練習と続く。

 レミの生活は、家庭で夫・父親として過ごすほかは、和太鼓一色だ。
 平日週4日は教えて、残りの1日はジュネーブ市の各小学校を回って、和太鼓を披露している。

 ジュネーブ市が企画した、学校で様々な国の文化を紹介するプロジェクトに参加しているのだ。 

 そして、週末は和太鼓教室の生徒数人と一緒に、お祭りや音楽イベント、日本関連の催しで演奏している。
 「礼実太鼓(れみたいこ)」がレミのグループ名だ。
 持ち曲は15曲で、徐々に増やしている。

 和太鼓の活動は、友達を集めて、公園で練習することから始まった。
 参加者が増え続けて教室を開くことになり、「礼実太鼓」の活動も少しずつ始めると口コミであっという間に広がった。
 迫力があって絵になる「礼実太鼓」はあちこちから声がかかり、毎月のように演奏依頼が入っている。

 鼓童、YAMATO、TAOといった著名な和太鼓グループは、欧州でも継続的に演奏活動をしていて、エンターテイメントとしての和太鼓はスイスでも馴染みがある。

 米国では、ストレス解消にとビジネスマンも趣味にするほど和太鼓が広まっていると聞くが、欧州で、自分たちが演奏者となって人々を楽しませる側に回るというのは、かなり珍しい。

■和太鼓に魅せられ、大学を中退


●黄色い「礼実太鼓」の旗を掲げ、Rémiさん(一番左)たちは、毎月のようにイベントに出演中(写真提供 Rémi Clemente)

 レミと和太鼓の出会いは、およそ8年前のことだ。
 来年3月で14回目を迎える「ジャパンデイ」という日本の伝統文化を紹介するイベントが、人生の岐路となった。

 「ジャパンデイ」は、欧州を中心に海外で毎年開催されている。
 開催地は毎年変わり、日本から一般の人たち100人以上が訪れて、和太鼓や箏の演奏、日本舞踊などの披露、書道や華道の紹介などを行う。
 開催国の日本大使館も後援している。

 その年、ジュネーブで開催された「ジャパンデイ」には、神奈川県川崎市の和太鼓グループ「響」が参加した。
 「響」は、太鼓なしでは生きられないという玉田菅雄(現在62歳)の指導の下、エネルギッシュに活動を続けている。


●日本式の「黙って見て盗め」で、和太鼓を覚えたRémiさん。篠笛もマスターした(写真提供 Rémi Clemente)


 「自分がやってみたかったことはこれだったのだ。太鼓を叩けるようになりたい!」

 「響」の演奏を見て、レミの体と心に電撃が走った。
 当時ジュネーブ大学で日本学を学び空手も趣味だったが、日本への興味は漠然としていた。

 このとき、瞬時に和太鼓に絞られたのを感じた。
 気がつけば、その場で玉田に「和太鼓を教えてほしい」と話しかけていた。

 玉田は承諾したものの真に受けず、レミに連絡先を教えないまま帰国した。
 後日、日本学科で「ジャパンデイ」に参加した人に聞いてみたら、運良く玉田の連絡先を教えてもらえた。

 「響」の演奏からたった3カ月後、レミは大学を退学し、玉田に太鼓を習うために日本に向かった。
 このときは、スイス帰国後に和太鼓の伝道師になるなどとは思っていなかった。
 和太鼓への情熱だけが、レミを遠い日本への滞在と踏み出させたのだった。

■日本式「黙って見て盗め」で学ぶことを経験

 玉田はレミを歓迎した。
 ただ、コミュニケーションはすんなりとはいかなかった。
 日本語を学んでいたレミだったが、日本に着いた当時は自分の言いたいことをまだ流暢に話せず、知らない言葉もたくさんで、辞書を引きながら会話していたという。

 とはいえ、言葉の壁は玉田の側にとっては大きな問題ではなかった。
 和太鼓は、ピアノのように、音の出しかた・演奏のしかたを逐一教える楽器ではない。
 ほかの人たちがやるのを見て真似ることが基本だ。

 「丁寧な個人指導ではなく、団体練習の場に入って一緒に活動するのが一番と考えていた」。
 玉田は筆者の問い合わせに答えた。

 「響」を含めて方々で和太鼓を指導している玉田は、教えている10団体の練習の場にレミを毎日のように連れて行った。

 レミは玉田の全体への教え方を見て、とにかく一緒に叩いた。
 「黙って見て盗め」という玉田のメッセージを理解し、「どういうふうにすれば」と玉田に尋ねることも控えた。

 分からないことはどんなに小さなことでも尋ねる、人に聞くことは恥ずかしくないという欧州一般の文化で育ったレミにとって、これは少なからぬカルチャーショックだった。


●恩師の玉田菅雄さん(前列右)や日本の和太鼓仲間との親交は続いている。2009年11月、川崎の和太鼓グループ「響」15周年記念コンサートにも、Rémiさん(前列右から2番目)は駆けつけた(写真提供 玉田菅雄)


 「いま、スイスで教えていて、この違いを改めて痛切する。
 最近は減ってきたが、叩き方を見てくださいと言っても、すぐに質問が出てくるのは普通のこと。
 日本では20人生徒がいても1つのことを教えることはできるが、スイスでは収拾がつかなくなって無理だと思う」

 しかし、「黙って見て盗む」からといって、受け身で学んでいたということではない。
 逐一教えてもらわないからこそ、うまくなりたいという高まる思いのもとに自分で試行錯誤を重ねたのだ。

 「レミは自分なりに身につけた」
と玉田が明言する。
 センスのよさも幸いして、レミはメキメキと腕を上げた。

 叩く技術だけでなく、教え方まで盗んだ。
 「教える方法も自分なりに見つけ出していった」
と玉田。
 レミが玉田の生徒たちを教えることが、いつしか日常の風景となったという。

 和太鼓に関して門外漢だったレミは、太鼓運びをしたり練習の場に加わることで、太鼓留学生から和太鼓仲間の一員となっていった。
 コンサートにもたくさん出演し、和太鼓の世界にどっぶりとつかる日々を9カ月間送った。

■カンパでもらった太鼓を胸に、スイスへ帰国

 帰国するころ、レミの腕前は仲間たちが賞賛するほどまでに上達していた。
 「きっとお世辞を言っているのだと思った。
 本当に、自分はそんなに上手なのかよく分からなかった」
と振り返るレミだが、玉田もレミの実力を認めていた。
 
 玉田は言う。
 「レミの和太鼓のセンスは抜群。
 叩くときのガニ股で腰を安定させる構えも、日本人より身についていた。
 太鼓は練習すれば誰でも上手になれるが、レミは素直な心の持ち主で、何でも学ぼうという心構えも上達を早めた。
 1年足らずで、10年くらいの経験者と同じになった」


●Rémiさんの和太鼓教室の練習風景。始めてまだ1か月という人もいる。「礼実太鼓」を見て参加を決めたという人も(筆者撮影)

 レミの心は、スイスで和太鼓を指導するという挑戦に向いていた。
 玉田は
 「太鼓一本で、はたしてスイスでやっていけるのか」
と心配だった。

 しかし、レミの固い意志に「そうだ、太鼓を贈ろう!」とひらめいたという。
 レミが関わった太鼓団体にカンパを呼びかけると、67万円がすぐに集まった。

 大きな太鼓1台と小さい締め太鼓2台をプレゼントした。
 スイスでの演奏活動のためにグループの結成も勧め、玉田が「礼実太鼓」と命名した。

■日本とスイスで続く草の根交流

 以来「響」やほかの和太鼓グループとの交流はいまも続いている。
 「響」団員がジュネーブを訪れて「礼実太鼓」と一緒に演奏したり、レミが単独で訪日して太鼓仲間と共演したり、生徒たちを日本に連れて行って講習を受けたり。

 来年3月の「ジャパンデイ」でも、「響」と「礼実太鼓」との合同演奏が決まっている。
 開催地のパリで、きっとたくさんの聴衆を魅了することだろう。

■和太鼓の魅力を、ぜひとも子供たちへ


●女性もこんなにいる。「気持ちがいい」「団体で活動するのが楽しい」と、和太鼓は女性にも人気だ (筆者撮影)

 レミの当面の希望は、チューリヒなどスイスのドイツ語圏にも和太鼓を広めることだ。

 そして、それ以上に目指していることがある。
 太鼓教室はもちろん続けるが、とりわけ、たくさんの子供たちに和太鼓の魅力を伝えたいのだ。

 レミはすでに遠い将来を見据えている。自分が引退し、いまの教え子である大人たちも高齢に達したら、少しずつ根をおろしてきた和太鼓の輪が消えてしまう。

 レミの子供教室は生徒が目下3人のみだが、気にしていない。

 「習い事として学ばなくてもいい。
 大事なのは、すごいなあと強い印象を子供の心に刻み込むこと。
 大きくなって、ああ太鼓って素晴らしかったな、やってみようかなと思ってくれることを期待している」

 日本に深いゆかりのなかった彼が、こうして日本の伝統の灯をともし続けている。
 和太鼓を文字通り一所懸命に伝授するレミの姿勢に、取材しながらうれしさがこみ上げた。
 レミの活動は、ますます多くの欧州の人たちの胸を打つはずと確信した。






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2011年12月22日木曜日

談志が死んで、お別れ会

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● NHKニュース



NHKニュース 2011年12月21日 17時49分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111221/t10014812521000.html

立川談志さんしのぶ お別れ会

 古典落語に新たな境地を開き、先月21日に亡くなった落語家の立川談志さんのお別れ会が東京都内で開かれ、芸能関係者などが談志さんをしのびました。

 東京都内のホテルで開かれたお別れ会には、東西の落語家や芸能関係者、政治家などおよそ1000人が集まりました。
 祭壇にはおととしの落語会で撮影された穏やかにほほえむ談志さんの遺影が飾られ、その前に、高座に見立てて愛用の扇子や湯飲み、座布団などが供えられました。
 はじめに長年親交があった石原慎太郎東京都知事が、弔辞の中で
 「君と最後に交わした会話は最も印象的で心にしみる会話だった。
 あの世でいつか会えるだろうから、死んでも元気でいてくれ。
 あばよ、さよなら談志師匠」
と遺影に向かって語りかけました。
 お別れ会は、生前の談志さんが好きだったジャズの名曲「ザッツ・ア・プレンティー」が演奏され、親しかった落語家たちが笑いを交えて思い出話を披露するなど、型破りな言動で知られた談志さんらしい、和やかな雰囲気の中で行われました。
 最後に談志さんが4年前に東京の高座で演じ、名演と言われた古典落語の「芝浜」の映像が流され、集まった人たちは、病と闘いながら古典落語の新たな解釈に取り組み続けた談志さんをしのんでいました。

 お別れ会のあと、談志さんの弟子の立川志の輔さんは
 「弟子全部集めても師匠の1人ぶんにもなりませんが、それぞれの弟子が少しずつ談志の芸を継承していきますので、もう少し経ったら『あいつはここを継承したんだな』と分かっていただけると思います」
と話していました。
 また、談志さんと50年来のつきあいがある元タレントの上岡龍太郎さんは
 「談志さんには珠玉のごときすばらしいことばから、どうでもよいつまらないことばまで、たくさんのことばを頂き、ものの見方から人生の生き方まで、すべてを教えていただきました。
 映画界の黒澤明監督のように500年たっても生き続ける天才だと思います」
と話していました。
 お笑いコンビ、爆笑問題の太田光さんは
 「30代で自分の芸を今後どうしていくのか悩んでいたとき、談志さんが『50歳までは何も考えず好きなことをやれ』と励ましてくれ、今、46歳になっても悩みは同じだと話すと、優しく『それならば60歳まで好きなことをやっていい』と言ってくれたことをよく思い出します。
 われわれにとっては、いつまでも雲の上の存在です」
と話していました。




タワーレコード 掲載: 2011年12月21日 16:50
http://tower.jp/article/feature/2011/12/21/danshitatekawa

追悼 立川談志
文/草柳俊一



どうやっても立川談志、誰がなんと言おうと立川談志の落語

 談志師匠が亡くなってしまいました。
 喉頭がん、75歳は早過ぎました。

 とにかく落語が好きで好きで、とことん落語に惚れ抜いていた方でした。
 演者でありながら、並外れた鑑賞眼を持つ、評論家顔負けの理論家でもありました。
 とにかく全身落語の師匠でした。

 縁あって、談志師匠の高座の録音のお手伝いを始めたのは、2003年1月の新宿厚生年金会館からです。
 以降、ライヴCDとしても利用出来るクオリティーで収録し、前々から続けている映像記録の音声トラックにも提供する形で東京近郊の独演会を中心に追いかけていました。

 そこへ、とんでもない企画が持ち込まれます。
 『談志百席』でした。
 立川談志のCD化されていない音源を「百」集めて、スタジオ録音して50枚のCDを作る と言うのです。
 プロデューサーに、
 「第一に談志師匠のネタを掻き集めても百席残っていない」(これは談志師匠も同じ思いだったのを、第1巻のCDで御本人 も語っております)、
 それに
 「スタジオ録音では談志の魅力は伝わらないのでは」
と反対したのですが、足りない分は新しくネタ下ろしする、そのためにもスタ ジオ録音で編集が必要だからと、妙な説得をされてスタートしてしまいます。
 時に2004年9月6日の事でした。

 スタジオ録音ではつまらないのではと言う危惧は、杞憂に終わります。
 実際の高座の再現にとどまらず、むし ろそれを逆手にとって、時にはDJ風にスピーカーの前の人に語り掛けるように喋り、仕草の解説をしながら進めたりと、師匠はそれまで数多くのラジオ番組を 経験していますから、そのノウハウを上手に取り入れたんですね。

 以後、毎月のように録音は重ねられ、2006年10月まで『百席』の録音は続きます。
 「百席も無いのに おっちょこちょいだから」
と請け合っちゃう師匠も師 匠ですが、初物のネタにはやはり苦労していました。
 「おい、これこんなもんだけど編集でなんとかまとめてくれねぇか」
と言われて
 「なんとかしましょう」
と 請け合っちゃう私も私です。
 おかげで随分苦労したものもあります。
 ジクゾーパズルのような編集をしても、喋っているのは立川談志、どうやっても立川談志、 誰がなんと言おうと立川談志の落語なのでした。

 「近江八景」での占いの解説を、たまたま遊びに来ていた野末陳平さん(占いに詳しい)をスタジオに引っ張 り込んで解説させて、それをそのままCDに入れて しまったり、「あたま山」では普通じゃつまらねぇからと、現実音の効果音を入れてしまおうなんて、そんなアイデアには脱帽させられました。(これワーワー 騒いでいる声まで師匠の声を使ったんです)

 千太・万吉の漫才「仁義は踊る」を落語で演りたいという時には、私がアイデアを出して一人二役の多重録音にしました。
 千太の談志と、万吉の談志が左右にいて掛け合うように編集したのです。
 作品をスタジオでプレーバックした時、師匠は大笑いして喜んでくれましたね。

 録音中にスタッフを爆笑させた「置き泥」、見事なセンスで現代流に蘇生された「提灯屋」や「ん廻し」。
 そ して、百席で生まれて高座でのレパートリーになった、「青龍刀権次」「子別れ」の下。
 そしてなにより録音終了後の師匠との落語談義、この『百席』での録音 の思い出は尽きません。

 『百席』の録音中も声の調子が悪い時がありましたが、このあと徐々に喉は悪化して行くようでした。
 出来の 良い高座の後で、舞台脇の私の所へ「どうだった」と確認に寄ってくれて、胸を張っていた師匠。
 そんな師匠が、
 「あんたが見て本当に酷い高座があったらこっ そり教えてくれ」
と言うまでに弱気になっていました。

 2007年12月18日、今思えば、この日の「芝浜」が立川談志の頂点だったと思います。
 喉が回復すればまた、という期待感は段々薄れて行きました。
 私にとっての最後の録音は、2011年2月20日、立川での「明烏」でした。

 私には談志師匠に仰せつかった大命があります。
 師匠が残した落語ライブラリーの有効活用です。
 整理整頓、然るべき所への保存は責任を持ってやらせて頂きます。

 立川談志、本名・松岡克由、戒名・立川雲黒斎家元勝手居士、2011年11月21日没。
 もっともっと、落語の話をしたかったのに残念です。



★草柳俊一(くさやなぎ・しゅんいち)
レコーディング・エンジニア、落語研究家。
 1953年神奈川県生まれ。スタジオ勤務・レコード会社勤務を通じて音楽畑のエンジニアとして活躍、 1997年にフリーとなってからは、落語関係の企画の仕事を多く手掛け、様々な音源を発掘して発表する一方、本来の録音エンジニアとして落語CDの作品も 数多い。

(2010年4月に行った立川談志インタヴューは下に載せてあります)




タワーレコード 掲載: 2010年07月27日 18:46
http://tower.jp/article/feature/2010/07/27/67990

インタヴュー 立川談志



■「芝浜」のこと

──お久し振りです。
 私は今年になって入院されてる間、DVDの編集をずっとやっていたので、毎日声は聴いていて、いつも家元と一緒にいた様な気がしてますけど。

□編集って、切ったり貼ったりするの?

──DVDはそれができないんですよ。
 絵が飛んでしまいますからね。
 収録場所がさまざまで、ホールの響きも違います。
 その響きは生かしつつ、最大公約数でレベルやら声の聞こえ方を平均化するんです。
 それと、私が録らせていただいたのは、2003年からですから、その頃から、声の調子がその日によって良かったり悪かったりする。
 それを聴きづらい声にならないように直していくんです。
 画面の中でもさかんに「ごめんね。こんな声で」みたいなことをおっしゃっている。

□今の映像ってのは、どの位置から撮っているわけ?

──一番後ろですね。

□すると、この間の「芝浜」も一番後ろから撮って、あのくらいになっているわけだ。
 それをテレビで観る事もできるわけだ。ホォー。

──私なんか、いつも後ろか横で聴いてますから。
 正面から見てないんです。
 あの「芝浜」も今回の映像で初めて観たんです。
 あの時はヘッドフォンから流れてくる客席の空気に凍りついてました。

□そうね。俺も凍りついちゃったけど、客席もそうだったね。

──そうなんですよ!
 だからアレはノーカットで全部はいっていますよ。
 枕の導入からね、最初は客席もわりとゆったりとしていたのが、本編に入って、女房の演出がいつもと違うっていうところに来たときに、お客さんが引き込まれていく雰囲気が、私は音だけしか聴いていないんですけども、感じたんですよ。
 もちろん自分も感じているんですが、それが、客がじーっと聞き入る空気があって。
 その瞬間に、これはすごいことになったかもしれないって。

□(写真家の)橘君もシャッター押せなかったって言っていたけどね。

──そういう雰囲気でしたよ、この「芝浜」は。
 その空気は、DVDで見る人でもわかると思うんです。
 あのシチュエーションを変えたっていうのは、出番前に考えていたんですか?

□いやいやもともとね、「芝浜」の原作っていうのは、人情噺みたいで嫌で、女房が亭主のためにやったんだっていうのがみえみえでね。
 「私のやったことは悪かったかね、悪くないよ」
っていっているけど、そのバックには「どうだ」といわんばかりみたいな了見もみえないことはないんでね。
 それが嫌なんで、全部自然にそうなっちゃったんだという演出には変えていましたけどね。
 だけどあの時の事を具体的にいうと、女房のほうから「私お酒飲む」って言い出したのは、あの場の感情注入っていうかな、勝手に言い出したんだ。
 だから落語の神様が降りて来た様だと。

──あと、女房の性格を変えたじゃないですか。
 かわいいだけの女房じゃなかったですよね。

□いや、前の女房はね、かわいいっていうより健気な女房でね。
 あんまり好きじゃなかったんだよね。

──本来だったら私もこの間の女房の演出のほうが家元が好きなタイプなんじゃないかと。

□うん。そうだと思うよ。
 だってあんなことされたら、普通だったら下手すりゃ、女こしらえるよね。
 (笑)あんな立派な女じゃたまらないってんでね。

──あれは、もう一度やれといわれてもやりにくいですよね。

□出来過ぎただけにもうやりにくいねぇ。
 それと、ふっと考えてやったことはニ度目にやるともうふっと考えたことでなくなるから、それにもう飽きちゃうわけね。


■よく帰っちゃったこと

──町田の「居残り佐平次」は帰っちゃう事件未遂の時のやつなんですが、帰らなくて良かったかと。

□あの時は久し振りに帰りたくなったね。
 でも戻ってあの「居残り」だろ。
 どうなるかわからないもんだね。
 ま、「居残り」と同じ全て成り行きって訳。
 人生成り行き。
 いや、帰ったことはよくあるね。
 いろんな理由で。
 「こんな下手な漫才の後には上がれねえ」って帰っちゃったり。
 その時は放送ですけどね。
 その時上がってた奴ってのが「のいる・こいる」なんだ。
 こないだ「おまえら俺が帰ったの覚えているか?」って聞いたら、「覚えてます」って。
 あのくらいはギャグになるんだ。
 それから俺の独演会っていうのはね、俺しかでないんだ。
 他の人みたいに前座を使わない。
 俺が行かなきゃ始まらないわけね。
 北海道放送、札幌でね、遅刻してとっくに定刻を過ぎているの。
 客席のドア開けてね、俺がね「早く始めろ、このヤロー!」って言ったんだ。
 周りは驚きやがってね。(笑)

──そういうの、いいサービスですね。
 (笑)いや、サービスかな?(笑)

□ずいぶん、帰っちゃったな。
 三越落語会ってのがあってね、前のが延びて随分遅れちゃったから、師匠の前で休憩とりたいんです、っていうから、嫌だ、俺は早く上がりたいし、客の食事を遅らせりゃあいいじゃないかって。
 聞きたくなきゃ落語なんておっぱらかしていくだろうし、そんなもん嫌だって言ったら、なんとかしてやってくれっていうし、嫌だっていうんで、着物をたたみはじめたんだ。
 そうしたら三遊亭圓遊師匠(先代)が驚いてね、芸人のくせに頼まれた仕事を平気で放り出して帰っちゃうなんて、初めてみたらしい。
 もっとも、この人は幇間持ちもやっていたせいで、余計驚いたのかもしれないけどね。
 その後で、柳家小さん師匠がここに出ることになっていたのだけど、ダメになったので、代わりに談志を出させますといったら、向こうが
 「頼むからあの人だけは勘弁してくれ」
って。
 「お前、断られちゃったよ」
って小さん師匠に言われたけどね(笑)。
 俺の代わりに師匠が行ったこともあったね。
 粋なもんだろって言ったんだよ、鈴本に。
 弟子の代わりに師匠が来るなんてのはね。
 そうしたらね、
 「そうはいうけどね、あなたね。
 林家三平さんが休んで、橘家円蔵さん(先代)が来るのは困ります」
って。
 (笑)そりゃあ、そうだよね。
 師匠が売れてればね。(笑)

 シャレで俺の代わりに、今の里う馬、前座の談十郎をおくったんだよ、二つ目になってたかな。
 いいでしょう。
 師匠の代わりに前座が深いところに上るなんていうのはって言ったら、冗談じゃないって鈴本が文句いってたよ。
 シャレにならないって。
 なるだろ、って言ったら我々の世界で「シャレがきつすぎる」ってヤツね。「シャレがきついよ」って。

──小さん師匠が行くときって、快く行ってくれたわけですか?

□そうだね。
 親子関係みたいなもんだったんだよ。
 俺が泊まると、ふとんの四隅を押さえてくれるような人。
 だからなんでも言えた。
 喧嘩なんて年中だよ。
 師匠に平気で小言言っちゃうしね、
 「うるせえや、どうのこうのって」
 「うるさくねえや」。
 でね、どっちが受けるの受けないのとかでね、「じゃあ二人会やろう」って。
 「俺と二人会やったら、師匠やる前に客は全員帰っちゃうよ」って。
 讒謗だよね。
 (笑)「うるせえ、馬鹿野郎」って。
 流石にね。俺のことなぐってね。
 なぐるったって、ちょいと頭はたくくらいですけどね。
 そのくらいの間柄だからね。
 何でも言えたしね。
 何でも言えるような状況を俺が作ったつもりでいたわけよ。


■高座の記録を残すということ

──師匠は、自分でやったものが残るというのはどう考えているんですか?

□あのね、随分前にね。
 『談志落語集』を出さないかと。
 俺、嫌だったんだよ。
 そしたら向こうが、
 「若い頃はこんなんだったなって思い出にもなりますよ」
、って言ってくれたんだけど、なんか俺嫌だったんだね。
 理由がない訳がない。
 なんでも物事には理由がありますから。
 きっと、あんまり青臭くて下手なんで、後になってみっともないと思ったのでしょうね。
 今考えてみれば、その頃録るなんて珍しい例ですから、録っておけばよかったな、って思います。

──多分、家元が最初に出したのって、ソノシートで「らくだ」と「源平」でしょうね。

□そうでしょうね。
 あれはマネージャーかなんかがね、俺が嫌がっているのに、平気で出しちゃった。
 向こうは向こうなりにいいと思ったんでしょう。
 俺は怒って、こんなもん、出しやがって、ていうのはありましたけどね。

──今の若手の人にもこだわって嫌だっていう人がいるんだけどね、やっぱり出しておいたほうがいいと思いませんか?

□思う。

──その時じゃなければできないっていうのあるわけだし、年を重ねていくうちに、芸風が変わってきたって。
 あれはその時のものじゃないですか。

□そうだと思うね。

──家元は結構、ひとり会もテープを残していたっていうのもありますし、まだ残っているほうですよね。
 歴史的にずっと。
 昭和41年からひとり会始めているじゃないですか。
 そこからのものは沢山残っているし、今だって録っておけっていうんで、どこのものも回しているわけだし。
 途中から私が入って録っているし。
 そういう意味では軌跡が、集大成はできますよ。
 30年代は放送局にぼちぼち残っているし。
 我々収集家の所にもまだまだ談志になりたての頃や、昭和36年、37年の小ゑん時代の音があるわけだし。
 面白いですよね、どう変わってくるのかっていうね。

 話は違うんですがね。
 落語の収集家のところに、ある時屑屋みたいのが来てね、なんかもってきたらしいんだよ。
 その中にね、今で言うキウイみたいな、今だから名前が出たからいいようなもんの、そこまでいかないようなセコな噺家だとか、何べんも何べんも同じことばかりやっているって馬鹿にしているような漫才ね、そんなテープを安く山のようにガラクタで持って来たんだってさ。
 「今思えば買っておけばよかった」
ってそいつがそう言っていたけどね。
 それと同じように、出しておけばよかった、っていう部分もあります。

──今度のDVDに関してはいかがですか。

□まあ、出したいって竹書房が言うんだし、俺の回りには俺様を良くわかってくれる人がいてくれて、ま、あんたとか貞やん(川戸貞吉氏)とか、吉川さんとか、竹書房も一緒。
 みんながいいって言うんだから内容は信用してる。
 大体俺様の高座はそれがドキュメントだって言う事でしょ。
 駄目なものもドキュメントだって、酷いよねそりゃ。
 そういうの入って無いだろ。

──無い無い。それは大丈夫です。



★立川談志(たてかわ・だんし)
 落語家。1936年東京生まれ。落語立川流家元。
 1952年、高校中退後16歳で五代目柳家小さんに入門。前座名小よし、二ツ目で小ゑん。
 1963年、五代目立川談志を襲名、真打昇進。
 1971年参議院議員となり、1979年まで務め、決算理事、沖縄開発庁政務次官等を歴任する。
 その間、落語協会に属し、理事を務めるが、1983年同協会を脱会。
 落語立川流を創設して家元となり、現在に至る。
 多数の著作があるが、若干30歳にして著した『現代落語論』は、多くの落語家のバイブルとなっている。近著は、『世間はやかん』(春秋社 5/21発売)。

談志大全 (上) 立川談志 古典落語ライブ2001~2007

 若き日より工夫を凝らしてきた十八番に加え、ライブ映像初登場となる「子別れ(下)」「風呂敷」「青龍刀権次」等のネタ下ろし演目、絶品の伝説を作り上げた「居残り佐平次」、さらに“芸術の神(ミューズ)が舞い降りた”と評される2007年12月18日の「芝濱」までもを網羅した立川談志21世紀版スーパーベスト!!

第一巻:二階ぞめき、疝気の虫、★包丁
第二巻:粗忽長屋、★夢金、文七元結
第三巻:★青龍刀権次、★小言幸兵衛、★子別れ(下)
第四巻:富久、★首提灯、★五貫裁き
第五巻:二人旅~万金丹、★慶安太平記、紺屋高尾
第六巻:へっつい幽霊、唖の釣、★山屋
第七巻:木乃伊取り、★浮世床~女給の文、黄金餅
第八巻:鼠穴、★かぼちゃ屋、★死神
第九巻:つるつる、権助提灯、居残り佐平次
第十巻:らくだ、★風呂敷、芝濱
★は初映像化演目
立川談志 [竹書房 TSDS-75530] 10枚組 6/4発売


★草柳俊一(くさやなぎ・しゅんいち)
 レコーディング・エンジニア、落語研究家。1953年神奈川県生まれ。
 スタジオ勤務・レコード会社勤務を通じて音楽畑のエンジニアとして活躍、1997年にフリーとなってからは、落語関係の企画の仕事を多く手掛け、様々な音源を発掘して発表する一方、本来の録音エンジニアとして落語CDの作品も数多い。







談志が死んだ



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立川談志 死して落語を残す



立川談志 桂枝雀





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2011年12月21日水曜日

ホンダジェット量産型3号機が初飛行に成功

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Response 2011年12月21日(水) 12時30分
http://response.jp/article/2011/12/21/167469.html

ホンダジェット量産型3号機が初飛行に成功

ホンダは、航空機事業の子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)が小型ビジネスジェット機ホンダジェットの米国連邦航空局(FAA)型式認定取得に向けて、飛行試験用の量産型3号機が11月18日に米国ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港で初飛行に成功したと発表した。

今回の初飛行では、降着装置、高揚力装置などの性能試験、機体の操作安定性試験、データシステム、着陸システム試験など基本性能やシステムを確認した。

量産型3号機の本格的な飛行試験の開始に加え、HACIは、機体強度などを確認する構造試験も順調に進めており、構造試験用の量産型2号機による制限荷重試験をすべて完了した。これら一連の試験でホンダジェットの構造強度を確認できたことで、FAAの認定基準を満たす機体の開発が順調に進んでいることを実証したとしている。

2010年12月20日に初飛行した量産型ホンダジェットは、最高速度425ノット(約787km/h)、最大運用高度4万3000フィート(約1万3100m)と上昇速度毎分3990フィート(約1216m/分)をそれぞれ記録している。

2012年には、飛行試験用の量産型4号機、5号機や構造試験用の機体が追加される予定。




ホンダの国産初小型ジェット 米航空ショーに登場(11/07/27)


小型ジェット機「ホンダジェット」、日本のメディアに初公開
http://www.nicozon.net/watch/sm15020686

ホンダジェットFAA初飛行






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2011年12月12日月曜日

今年の漢字は「絆」

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● asahi.comより



asahi.com 
http://www.asahi.com/national/update/1212/OSK201112120036.html

今年の漢字は「絆」

 2011年を表す漢字は「絆」。日本漢字能力検定協会(京都市下京区)が12日、全国から公募した「今年の漢字」を発表した。
 世界遺産・清水寺(同市東山区)で、森清範(せいはん)貫主(かんす)が巨大な和紙に墨で書き上げた。

 東日本大震災や台風被害に揺れた今年1年を反映し、2位は「災」、3位は「震」と続いた。
 「今年の漢字」は阪神大震災が起きた1995年の「震」に始まり、今年で17回目。




NHKニュース 2011年12月12日 14時17分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111212/t10014573011000.html

今年の漢字は「絆」



 ことし1年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」が、京都の清水寺で発表され、東日本大震災などを受けて、家族や仲間など、身近でかけがえのない人との絆を改めて知ったことなどを理由に、「絆」が選ばれました。

 「今年の漢字」は、京都に本部のある日本漢字能力検定協会が、毎年、その年の世相を表す漢字ひと文字を募集して選び、発表しています。
 ことしはこれまでで最も多い49万通の応募があり、最も多かった「絆」という字が選ばれました。
 京都市東山区にある清水寺では、森清範貫主が、たっぷりと墨をつけた筆で、大きな和紙に「絆」の字を一気に書き上げました。
  「絆」を選んだ人たちは、東日本大震災で生きる希望を見失いそうになったときに、さまざまな人との絆で助けられたこと、震災で世界や日本に絆が広がり、お 金では買えない大切なものがあると感じたこと、サッカー女子ワールドカップで日本代表のなでしこジャパンが優勝し、チームの絆を感じたことなどを理由に挙 げているということです。
 日本漢字能力検定協会によりますと、ことしは東日本大震災を受けて字を選んだ人が多く、
 2番目に多かったのは震災の「災」
 3番目は同じく震災の「震」
だったということです。




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2011年12月10日土曜日

「神の粒子」って何だ ?

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● NHKニュース




NHKニュース 2011年12月8日 16時52分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111208/t10014500781000.html

ヒッグス粒子 研究成果発表へ

 物質に質量がある起源とされ、理論的に存在が予言されながら、まだ見つかっていない「ヒッグス粒子」という未知の粒子を探し続けてきた国際的な研究グループが、13日にスイスで記者会見を開いて研究成果を発表することになり、現代物理学の大きな謎が解けるのか世界の注目が集まっています。

 記者会見を開くのはスイスにあるCERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関で実験を続けてきた2つの研究グループで、このうちの1つには日本の研究者も数多く参加しています。
 実験はCERNに建設された一周が27キロもある巨大な円形の加速器という実験装置を使い、光とほぼ同じ速度まで加速した陽子どうしを正面衝突させ、その時に生じるさまざまな粒子を観測しました。
 その結果、ことし10月までに行った実験で、想定されているヒッグス粒子の質量に相当する何らかの粒子が見つかった可能性が高まったということです。

 現代物理学の標準理論では、宇宙空間はヒッグス粒子で満ちていて、物質を構成する素粒子はヒッグス粒子とぶつかりあって動きづらくなり、その動きづらさから質量が生まれたと説明されています。

 標準理論で存在が予言されながら、まだ確認されていない粒子はヒッグス粒子だけで、世界の物理学者が長年にわたって探し続けてきた大きな謎だけに、研究成果の発表に世界の注目が集まっています。
 発表は日本時間の13日午後10時からで、インターネットでも中継される予定だということです。




2011/12/09 19:15 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011120901002120.html

「神の粒子」で13日に重要発表 ノーベル賞級成果か

 あらゆる物の質量の起源とされ「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子
を探している日本も加わる国際チームが、欧州の巨大加速器による今年の実験データをまとめ、13日深夜に発表する。粒子の手掛かりをとらえた可能性があり、ノーベル賞級の成果が明らかになるのか、世界中の物理学者が注目している。

 今回の実験は、欧州合同原子核研究所(CERN)がスイス・ジュネーブ郊外の地下に建設した、一周約27キロの円形加速器で実施。
 ほぼ光速に加速した陽子同士を正面衝突させ、壊れる過程を詳細に調べた。
 日本も参加するアトラスと、米などによるCMSという二つの検出器のチームがデータを解析。



 Wikipediaから。
 やはり理解するには難しすぎる。


 ヒッグス粒子(ヒッグスりゅうし、Higgs boson)とは、ヒッグス場を量子化して得られる粒子である。
 LHCの衝突実験で、およそ10兆回に1回しか生成されないと言われている。
 2011年12月9日現在未発見。

 ヒッグス場とは、1964年にエディンバラ大学のピーター・ウェア・ヒッグスによって提唱された、素粒子の質量獲得に関する理論に現れる場についての仮説である。

 ヒッグス場によって質量を獲得するメカニズムをヒッグス機構と呼ぶ。[1]
 ヒッグス機構では、宇宙の初期の状態においてはすべての素粒子は自由に動きまわることができ質量がなかったが、自発的対称性の破れが生じて真空に相転移が起こり、真空にヒッグス場の真空期待値が生じることによってほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになったとする。
 これが素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。

 質量の大きさとは宇宙全体に広がったヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なすのである。
 光子はヒッグス場からの抵抗を受けないため相転移後の宇宙でも自由に動きまわることができ質量がゼロであると考える。

 ニュース等では
 「対称性の破れが起こるまでは質量という概念自体が存在しなかった」
などと紹介される事があるが、正確ではない。
 電荷、フレーバー、カラーを持たない粒子、標準模型の範囲内ではヒッグス粒子それ自体および右巻きニュートリノはヒッグス機構と関係なく質量を持つことが出来る。
 また、重力と質量の関係・すなわち重力質量発生のしくみは空間の構造によって定められるものであり、標準模型の外部である一般相対性理論、もしくは量子重力理論において重力子の交換によって説明されると期待される。





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2011年12月6日火曜日

「ケプラー22b」と観測史上最大のブラックホール

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● 米航空宇宙局(NASA)が発見した「ケプラー22b」の想像図(NASA提供)



CNN News 2011.12.06 Tue posted at: 11:27 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/30004824.html

NASA探査機、生命誕生の可能性ある圏内に惑星を確認

 太陽系外にある地球型惑星を探すため、米航空宇宙局(NASA)が2009年に打ち上げた探査機「ケプラー」が、生命誕生の可能性がある圏内に位置する惑星を初めて確認した。

 「ケプラー22b」と名付けられたこの星は半径が地球の約2.4倍で、地球からの距離は約600光年。
 恒星の回りを290日の周期で公転している。

 NASAの観測チームによると、恒星との距離は地球から太陽までの距離に比べ約15%近い。
 一方でこの恒星は太陽より暗くて小さく、温度が低い。
 結果的に、ケプラー22bの表面は地球上と似たような温度だと推定される。
 ケプラー22bに地表があり、温室効果が同程度だとして試算すると、22℃前後と「非常に快適」な温度になるという。

 ケプラーは、惑星が公転する恒星を横切る際、恒星が暗く見える現象を検出することにより、地球に似た惑星を探してきた。
 恒星との距離が近すぎると温度が高くなり、水が蒸発してしまうため、生命の存在は期待できないとされる。
 恒星から近すぎず遠すぎず、水と生命が存在できる範囲を「ハビタブルゾーン」と呼び、惑星がこの圏内に位置するかどうかを基準に観測を進めている。
 これまでに観測された惑星の候補は計2326個に上る。

 観測チームは今年2月、ハビタブルゾーンにあるとみられる惑星の候補が54個見つかったと発表していた。
 このうち初めて確認されたのがケプラー22b。
 結果の詳細は天体物理学の専門誌アストロフィジカル・ジャーナルで発表される。
 候補のうち48個については、今後確認作業を行う予定だという。

 また、ケプラー22bの組成を調べるため、地上から観測しやすい位置に来る来年の夏には、天体望遠鏡を使って質量の計測を試みることになっている。




CNET Japn 2011/12/06 12:42
http://japan.cnet.com/news/society/35011456/

NASA、地球に似た惑星を確認--「ハビタブルゾーン」を周回

 米航空宇宙局(NASA)は米国時間12月5日、宇宙望遠鏡「Kepler」を使った調査により、地球と同程度の大きさの惑星が太陽に似た星のいわゆる「ハビタブルゾーン」を周回していることを初めて確認したと発表した。
 ハビタブルゾーンは生命居住可能領域とも呼ばれ、水が液体として地表に存在可能で、地球と同様に生命にとって好ましい環境である可能性がある。

 この惑星は、地球から600光年近く離れた星を周回し、「ケプラー22b」と呼ばれている。
 同惑星における生命存在の可能性が本当にあるかについては、さらなる調査が必要である。

 また、NASAは、太陽系外惑星の候補1094個が新たに発見され、Keplerを使った発見数は2326個に達したことを発表した。




NHK News 2011年12月6日 11時38分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111206/t10014435401000.html

NASA 地球に似た惑星発見

 NASA=アメリカ航空宇宙局は5日、水が液体で存在している可能性がある地球によく似た惑星を発見したと発表し、太陽系以外での生命の探査につながるものとして注目されています。

 これは、NASAが太陽系以外で地球に似た惑星を探すために、おととし打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡を使って、はくちょう座と、こと座の方角にある15万余りの星を観測してその中から見つけたものです。
 この惑星は、地球から600光年離れた場所にある「ケプラー22b」と呼ばれ、半径は地球の2.4倍、太陽のように熱と光を発する恒星の周りを290日かけて公転しています。
 さらに、この惑星は恒星から適度に離れており、表面の温度は20度ほどとみられ、水が液体で存在している可能性もあるということです。
 地球に似た惑星は、これまでもヨーロッパの研究チームによって2つ発見されていますが、NASAは、今回見つけた惑星の環境が最も地球に似ていると考えていて、太陽系以外での生命の探査につながるものとして、さらに詳しい観測を続けることにしています。





AFP BBnews 2011年12月06日 13:09 発信地:米国
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2844238/8168382

観測史上最大のブラックホール2個発見、米チーム



【12月6日 AFP】米カリフォルニア大(University of California)などのチームは5日、
 太陽の約100億倍の質量がある観測史上最大のブラックホールを2個、発見したと発表した。

 これまで発見されているブラックホールで最大のものは質量が太陽の63億倍で、観測史上最大のブラックホールが2個見つかったことになる。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された報告によると、2個のブラックホールはどちらも地球から3億光年以上離れたふたつの銀河の中心部にあった。

 カリフォルニア大バークレー校の研究チームによると、1番目のブラックホールが見つかったのは、地球から約3億2000万光年にある銀河団の中で最も明るい銀河「NGC 3842」。
 2番目のブラックホールは、地球から約3億3500万光年離れた「かみのけ座銀河団」の中にある銀河「NGC 4889」にあり、質量は1番目のブラックホールと同等か大きいという。どちらも予想されていたよりも大きかった。(c)AFP




AFP BBニュース 2011年12月22日 07:22 発信地:パリ/フランス
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2846805/8222118

地球サイズでは初、系外惑星を2個発見

【12月21日 AFP】(写真追加)米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の研究チームは20日、地球サイズの太陽系外惑星を発見したと英科学誌ネイチャー(Nature)電子版で発表した。
 地球サイズの系外惑星発見は初めてで、しかも2個発見したという。

 米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡ケプラー(Kepler)を使って発見された2個は、太陽に似た主星「ケプラー20(Kepler-20)」を公転している。
 地球よりわずかに3%大きい惑星が「ケプラー20f(Kepler-20f)」、地球より13%小型で金星よりやや小さい惑星が「ケプラー20e(Kepler-20e)」と名付けられた。

 2つとも地球のような岩石質と推測されるが、主星に近すぎるため、生命を育むには温度が高すぎると見られる。
 公転周期は20fが19.5日、20eが6.1日だ。

■系外惑星の候補は2326個

 系外惑星は、1995年に初めて公式に確認されて以来、534の星系に709個が発見されている。
 今回の発見は技術力の勝利とも言える。
 2個はこの中で最も小さい上に非常に遠い場所にある。
 主星であるケプラー20の地球からの距離は約1000光年だ。

 これらの系外惑星の大半は巨大ガス惑星か、主星との距離が近すぎたり遠すぎたりするため、生命の構成要素である水が液体として存在することは不可能だ。

 これまでに、岩石質かつハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)にあることが確認された惑星はわずかに3つ。
 「グリーゼ581d(Gliese 581d)」と「HD 85512 b」はそれぞれ太陽よりも小型で温度が低い主星を周っている。
 3つ目の「ケプラー22b(Kepler-22b)」は今月5日に発表されたばかりのもので、大きさは地球の2.4倍。
 太陽に似た主星を290日間で公転している。

 ケプラー望遠鏡が発見し、系外惑星であることがまだ確認されていない「惑星候補」は2326個にのぼっている。(c)AFP









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2011年12月3日土曜日

マンモスの復活へ

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●  ロシア・サハ共和国の首都ヤクーツクにあるマンモス博物館で、マンモスの大腿骨から骨髄を採取するセミョーン・グリゴリエフ館長代行=11月17日(共同)




2011/12/03 10:31 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011120301001216.html

マンモスの復活へ光明 永久凍土で骨髄発見 

 ロシア東シベリアのサハ共和国の永久凍土で今年8月、マンモスの大腿骨が見つかり、内部に保存状態の良い骨髄が確認された。
 約1万年前に絶滅したとされるマンモス復活を目指し、クローン技術の一種の「体細胞核移植法」などを活用して1990年代後半から研究を続けてきた日本の専門家は
 「骨髄発見で復活の可能性が高まった
と期待を寄せている。

 大腿骨が見つかったのはサハ共和国北部バタガイ近郊の永久凍土。
 首都ヤクーツクのマンモス博物館の研究者らが先月13日に骨を切断して調べた結果、内部に凍った状態の骨髄を確認した。(ヤクーツク共同)




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大阪市24区長を公募へ

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● asahi.comより



asahi.com 2011年12月3日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201112030031.html

大阪府市一体で政策決定 都構想を先取り 維新方針

 大阪維新の会は2日、今月中に設置する大阪府市の統合本部の運営方針を決めた。
 本部を府市の「最高意思決定機関」と位置づけ、成長戦略などの広域行政を一元的に決定。
 両議会で審議する教育・職員基本条例案の修正作業や大阪都構想推進協議会の設置条例案の作成も担う。
 市には副市長を置かず、各区長を市長に次ぐポストとして公募し、住民サービスを一手に任せる。
 統合本部を軸に将来の都構想を先取りした行政機構に変えることをめざす。

 橋下徹新市長と松井一郎府知事ら維新の会幹部は2日、ひそかに会談し、統合本部のあり方や今後の改革方針を議論した。

 関係者によると、統合本部では、府市が別々に進めてきた成長戦略やインフラ整備、産業活性化などの広域行政のほか、二重行政と指摘される水道などの統合策を決定。
 今後、交通施策、府立・市立の病院や大学などの分野を順番に検討する。
 本部の方針に沿って知事と市長がそれぞれの議会に提案し、審議や議決を受ける。

 いずれも2月議会で提案をめざす教育・職員基本条例案と、両議会の議員が加わる都構想推進協議会の設置条例案についても、府と市の整合性を図るため、統合本部で内容を議論する。

 本部では、本部長の松井氏が決定権を持ち、副本部長の橋下氏が補佐役に回る。
 事務方のトップには府の部長級、市の局長級を置くほか、財界人や有識者らも加わる。

 一方、大阪市では、24行政区の区長に現在の局長より強い権限を与え、市長に次ぐポストとする。
 新たな区長には教育や福祉などの住民サービスをはじめ、基礎自治体分野の政策決定や予算編成を事実上任せる。
 区長は市役所内や民間から公募する。

 現在の森下暁、北山啓三の両副市長は「けじめの意味も込めて退きたい」として、平松邦夫市長が退任する18日に辞職する方針。
 橋下氏は後任の副市長を置かずに空席とし、区長を市長に次ぐ「ナンバー2」とする考えだ。




産経ニュース 2011.12.3 11:48
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111203/osk11120312130006-n1.htm

橋下氏、大阪市24区長を公募へ 
副市長は当面空席に

 次期大阪市長に就任する橋下徹氏が、市の24区長を庁内外から公募する方針を市幹部に伝えたことが3日、関係者への取材で分かった。
 現状では大半が部長級の区長を、一般職で最高位の局長級を超えるポストに格上げし、予算や人事の権限を大幅に与える。
 区長を市長に次ぐ“ナンバー2”とする一方、副市長ポストは当面置かずに空席とする。区長権限を大幅強化する「大阪都構想」へのステップと位置づけており、市役所組織の抜本改革に着手する意向だ。

 橋下氏は11月27日投開票の市長選で、区長公選制の導入や、区長に予算や人事の権限を大幅に与えることなどを柱とした大阪都構想を訴え、猛反発する現職の平松邦夫氏を相手に勝利した。

 市関係者によると、19日に市長就任を控える橋下氏は市側に対し、市の24区長を庁内外から幅広く公募して、局長級を超えた市長に次ぐポストに格上げする一方、これまでナンバー2だった副市長のポストは当面、任命せず空席とする意向を伝えた。

 大阪都構想は本来、市の24区を人口30万人規模の8~9の特別自治区に再編するとしているが、区の再編や区割りには調整に時間がかかるため、当面は現状の24区長ポストに庁内外からの公募制を導入。
 経営手腕に優れた民間人などを積極登用することで、大阪都構想の理念を先取りした市役所改革を目指す。

 橋下氏は市長選の街頭演説や討論会などで、現在の区長を
 「市の人事異動で決まる役人区長で、住民は区長の顔や名前も知らない」
と批判。
 「区長は公選制とし、予算や人事の権限を大幅に与えるべきだ」
と訴えていた。




asahi.com 2011年12月26日5時3分
http://www.asahi.com/politics/update/1225/OSK201112250106.html

維新の会、総選挙向け候補養成へ 「塾」で全国公募

 大阪維新の会(代表=橋下徹大阪市長)は25日の幹部会議で、次期衆院選に向けた候補者養成をめざす「維新塾」を立ち上げる方針を決めた。 
 数十人程度の塾生を年明けから公募で選び、大阪都構想など政策を学ばせる。
 都構想の実現に不可欠な地方自治法改正などに国政各党が協力しない場合に備え、国政進出の準備を進める狙いがある。

 25日の会議には、橋下氏のほか、同会幹事長の松井一郎大阪府知事らが出席。塾生公募を来年1月4日に発表し、面接や論文試験で選考することを決めた。

 維新は、2015年春に大阪府と大阪、堺両市を再編・分割し、大阪都と特別自治区へ移行させる目標を掲げている。
 そのためには地方自治法などの改正が必要で、維新と連携するみんなの党が今月20日に同法改正案の骨格を公表した。








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2011年12月2日金曜日

世界腐敗認識指数2011発表!:日本は14位

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●  世界腐敗認識指数map



ロケット24ニュース 2011年12月2日
http://rocketnews24.com/2011/12/02/159103/

世界腐敗認識指数2011発表!
日本は14位、韓国43位、中国75位、最下位は北朝鮮

 毎年、世界のトランスペアレンシー・インターナショナルより2011年版「世界腐敗認識指数(CPI)」が発表された。
 公共部門の汚職に代表される腐敗の認識レベルについて評価してものである。

 発表された腐敗認識度マップでは色の薄い黄色が腐敗認識度が低い地域、濃い赤の部分が腐敗認識度が高い地域である。
 この調査で日本は14位との結果が出たそうだ。

 同調査は世界183の国と地域に対して行われたものだ。
  0(腐敗度が高い)から 10(腐敗度が低い)までを指数化したものである。
 CPI は、腐敗防止に関する法律の実施や情報へのアクセスなど17種の調査結果から導き出された数値である。

 同機構によると、腐敗度の高さは今年相次いで起きている民主化運動と相関があるそうだ。
 腐敗度が高い国と地域において民衆の政府への問いかけが各国で起きた民主化運動であると分析されている。

 なお、最も腐敗度が低い国はニュージーランド。
 その他上位は社会福祉の手厚さでも名高い北欧諸国が占めた。
 各国、税金が高いことでも有名だが、使い道についても透明度が高いということだろうか。

 なお、日本は14位。
 アジア・太平洋地域では5番目という結果だった。
 相対的に見ると悪くはない順位だがこれで安心して良いかというとそれは別の問題である。

 なお、近隣諸国及び地域では
香港は12位、
台湾は32位、
韓国が43位、
中国は75位、
ロシアは143位、
北朝鮮はソマリアと並んで最下位の182位
である。
 
【腐敗認識指数トップ20(腐敗度が低い順)】

1位 ニュージーランド
2位 デンマーク
2位 フィンランド
4位 スウェーデン
5位 シンガポール
6位 ノルウェー
7位 オランダ
8位 オーストラリア
8位 スイス
10位 カナダ
11位 ルクセンブルグ
12位 香港
13位 アイスランド
14位 ドイツ
14位 日本
16位 オーストリア
16位 バルバドス
16位 イギリス
19位 ベルギー
19位 アイルランド

参照元:トランスペアレンシー・インターナショナル(英語)
http://cpi.transparency.org/cpi2011/results/

 


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「家政婦のミタ」の視聴率がキムタクをあっさり抜き去ったわけ

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● 家政婦のミタ




ダイヤモンド・オンライン  2011年11月28日
http://diamond.jp/articles/-/15007

「家政婦のミタ」の視聴率がキムタクをあっさり抜き去ったわけ

視聴率に表れないコンテクストを見つけるには?
藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

■ゴールデンタイムの秋ドラマ:視聴率が語る今の世相

 エンターテインメントに関するニュースを見ていて目に付いたのですが、松嶋菜々子が、冷徹な家政婦を演じて話題のドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)の第7話(11月23日放送)の平均視聴率が関東地区で23.5%を記録し、この秋のドラマの最高を更新したということです。
 このドラマは、松嶋演じる笑わない家政婦、三田灯(みた・あかり)が、母親を亡くした4人の子どもと父親が家庭崩壊の危機に直面している阿須田家に派遣され、さまざまな問題に直面するというストーリーです。

 いつも無表情で喜怒哀楽を一切表現せず、機械のような無機質な雰囲気を漂わせている謎めいた家政婦。
 業務命令であれば、犯罪行為まで「承知しました」の一言で「何でも」やってしまう徹底ぶりで、家族からの「殺して」といった過激な要求までもとことん任務遂行していくこのドラマが、今お茶の間で大きな話題になっています。

 母親の自殺、父親の浮気、いじめなどの現代社会の家庭崩壊というシリアスなテーマを扱いながらも、コミカルなタッチのミステリー仕立てでもある不思議な雰囲気で、先の展開がまったく読めないので、つい「来週もまた見たい」という気持ちになってしまいます。

 一方、この秋のドラマで別の意味でマスコミで話題になっているのが、木村拓哉主演のTBS系ドラマ「南極大陸」です。
 10月16日の初回放送で22.2%の最高視聴率をマークして大いに注目されながら、第2話は19.0%、第3話16.9%、第4話15.8%と落ち続け、第5話は13.2%と急落。
 ネット上では「キムタク神話遂に崩壊」といった書き込みも見られましたが、第6話は19.1%まで再浮上しています。

 このドラマのストーリーは、
 「昭和30年代、敗戦からの復興を進める日本は、南極観測への参加を表明するが、他の参加国からは敗戦国であることを理由に罵倒される。
 『日本が外国に頼らず、自分の足で立って生きていく姿を世界に示すんだ』と、主人公の倉持たちが参加実現に向け尽力するなか、国や企業は資金援助に後ろ向きで難航を極めた。
 しかし、将来の夢と希望にあふれる子どもたちが、お小遣いを握りしめて募金をスタート。
 この活動は全国各地へと広まり、いつしか南極観測は『国際社会復帰の一大プロジェクト』になる」
というものです。

  「南極大陸」の制作費は20億ともいわれており、広告宣伝も異例の規模で展開されていました。
 キャストには香川照之、柴田恭平、綾瀬はるか、堺雅人といった豪華な布陣を配し、人気絶頂の芦田愛菜ちゃんも出演するなど、TBSとしては万全の態勢で臨んだだけにこの視聴率の急低下は予想外だったようです。

■視聴率には表れないが:周りに多い「南極大陸」にはまる人

 視聴率の話とは関係なく、私は「南極大陸」にすっかりはまっていて、毎週日曜日の夜9時をとても楽しみにしています。
 私が思うこのドラマの魅力は、困難に挑む登場人物たちの熱い思いのこもった数々の言葉です。
 それを聞いていると、なんだか自分の気持ちまでが高ぶってきてしまいます。

 たとえば、柴田恭兵扮する白崎隊長の言葉。

(南極大陸にて)

白崎:
 敗戦から10年。
 われわれはいつも外国の戦勝国の足跡を辿ってきた。
 しかし、 今日からは自らの足で歴史を歩んで行くんだ。
 もはや、もはや、「戦後」ではない。

一同:……(涙ぐむ)

白崎:
 われわれがこの南極に残す足跡は、5年後、10年後、いや、50年後の日本に必ず大きな意味をもたらすでしょう。

――この場面では思わず目頭が熱くなってしまいました。

 今年の「3.11」で打ちひしがれた今の日本は、終戦後10年当時の日本とは状況はまったく異なりますが、国民が一丸となって困難に立ち向かっていくフェイズにあるという点では同じです。

 このドラマを観ていると、震災から復興に向けて悪戦苦闘している今の私たちと南極大陸への思いを馳せる登場人物の姿がオーバーラップして見えてくる気がするのです。
 困難に直面した時、人々は震災後のキーワードである「絆」という言葉に象徴されるように、仲間との一体感を感じることで自分を奮い立たせてがんばれるのではないでしょうか。

 実際、私の周囲でも「南極大陸」にはまっている人が意外に多く、社内や取引先など、さまざまな場所でこのドラマが話題に上ります。
 ところが、ネット上ではこの熱いやりとりを“過剰な演出”“くさいセリフ”などと酷評するコメントが多く見受けられます。

 一方、好調の「家政婦のミタ」の番組ホームページの掲示板にも多くのコメントが寄せられていますが、その中で、このドラマの魅力を象徴的に表すものを一つ紹介します。

 「すごく面白いですよねー!
  人間のダメな部分を軽妙なタッチで描いているのが、とてもいいです。
 何気にリアリティーもあって、ずばっと社会風刺しているのがすばらしい」

■二つのドラマ、視聴率の:“明暗”を分けたもの

 現代の世相をとてもリアルなテーマに投影した「家政婦のミタ」。
 一方、敗戦から復興する時期の日本の夢と希望がテーマの「南極大陸」。

 二つのドラマの視聴率の“明暗”を分けているものは一体何なのでしょうか?
 キャスティングやストーリー性等、ドラマの視聴率を左右するファクターはさまざまあると思いますが、そのなかの一つの大きな要素が、その時代の雰囲気とのマッチングです。

 閉塞感が強く、政治も経済も混迷を極める今の日本においては、夢と希望を熱く語るドラマである「南極大陸」よりも、自分の身近にも起こりそうな、リアリティがあり、かつセンセーショナルなテーマを扱った「家政婦のミタ」のほうが多くの人々の興味関心を引き付けているのです。

 とくに今の若い世代は、高度成長時代やバブル期の日本が熱気にあふれていた時代を経験することなく成長してきました。そんな彼らにとっては、将来への夢を熱く語る「南極大陸」の主人公たちの姿が、もしかしたら、非現実的で嘘っぽく見えてしまうのかもしれません。

 それよりも不倫、自殺、いじめなどある意味“どぎつい”テーマに正面から取り組み、ターミネーターのようにクールな松嶋が演じる「家政婦のミタ」のキワモノ感が、この時代にはフィットしているのでしょう。

 価値観が多様化した現代社会においては、以前のような統一的なマス文化が形成されにくく、マスメディアに頼ることなく、個人がいつでも自分の必要な情報を得ることができるようになった結果、多くの人々が一つの話題を共有するのはかえって難しくなりました。

 デジタルマーケティングの時代を迎えて、新しいメディアや、テクノロジー、デバイス(情報機器)の登場が話題に上ることが多い最近のマーケティングの業界でも、やはり人の心を動かすのは時代の感覚に合ったストーリーと、コンテクスト(文脈)を持ったコンテンツであることが改めて見直されてきています。

 そのコンテクスト(文脈)とは何なのか?
 どうしたらそれを見つけられるのか?

 この連載では「人のココロをつかむセオリー」と題して、広くマーケティングとコミュニケーションに関する話題を題材にしていこうと考えています。

 今後の展開をお楽しみに。






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2011年11月28日月曜日

世界最軽量素材、1ccあたり0.85ミリグラム

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● 写真提供:HRL LABORATORIES




CNNニュース 2011.11.26 Sat posted at: 16:02 JST
http://www.cnn.co.jp/tech/30004709.html

世界最軽量素材、1ccあたり0.85ミリグラム 米企業が開発

(CNN) 米民間研究所がこのほど、世界最軽量の素材を開発した。
 重さは1立方センチあたり「0.85mg」だという。
 11月発行の科学誌サイエンスで発表した。

 この物質は現在「メタリックマイクロラティス」と呼ばれており、中空の管が格子状に接続されている。
 組成の99.99%は空気で、残りはニッケル合金だ
 比重は、断熱などの目的で使われる押出発泡ポリスチレンフォームの100分の1。
 また、力がかかっても元の形に戻るという。

 素材を開発したHRLラボラトリーズはゼネラルモーターズとボーイングが出資する有限責任会社で、メタリックマイクロラティスは米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)向けに開発したもの。
 将来的にはバッテリー電極や車体、航空機の機体、身体防護部材などの素材として活用できる可能性があるという。

 これまで世界最軽量とされていたエアロゲル(NASA開発)の比重は1立方センチあたり「3mg」で、HRLラボラトリーズは現在ギネスワールドレコーズに記録として申請中だ。
 認められれば世界最軽量素材として記録される。




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「退職した夫に対する症候群」:洗濯機の使い方から教育

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● 朝鮮日報より



朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/27 09:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/27/2011112700102.html

日本では退職した夫に洗濯機の使い方から教育
夫の退職後も幸せに暮らすには

「厳しい社会生活から引退して無力感に苦しむ“引退症候群”に陥らないためには、
仕事、
ボランティア、
趣味
の中で最低でも一つに取り組む必要がある」
などというアドバイスをよく耳にする。
しかし、退職した夫が無力感から脱却したからといって、老後の夫婦関係が円満になるという保証はない。
妻も「退職した夫に対する症候群」に悩まされるからだ。

「定年退職後40年」といわれる夫婦生活で、まず夫は家庭という枠組みに改めて入るという新米の心構えを持ち、ささいな仕事もいとわず、自ら変わろうとする意志が必要だという。
これは、専門家の間で一致する見方だ。
例えば昼食は自分で準備して食べ、簡単な家事は分担して行うことからスタートする必要があるということだ。

韓国以上に高齢化が進む日本では
定年退職した夫向けの教育
が幅広く行われている。
大韓家庭法律福祉相談院のヤン・ジョンジャ院長は
「洗濯機の使い方や電子レンジの使い方から始まり、
退職後に家族と幸せに暮らすための方法を教える教育が必要だろう」
などと指摘する。

子育てにばかり熱中し、夫婦間の絆や愛情を深める努力をおろそかにしてきたためか、韓国社会では「退職した夫に対する症候群」が非常に深刻だ。
この問題について、竜仁精神病院のパク・サンドク医師は
「退職した高齢夫婦でも、互いの絆を築くために改めて努力すれば、いくらでも円満な夫婦生活を送ることができるし、これらの症候群を克服することもできる」
と話す。

高麗大学心理学科の成瓔信(ソン・ヨンシン)教授は
「家庭内で夫のための空間を準備する必要がある
と指摘した上で
「一般的な家庭では、妻が支配している奥の間や台所、そして子ども部屋を除けば、夫がいられるのはリビングくらいしかない。
夫が外からやって来た見物人のように家の中でうろうろせず、家庭に溶け込むには、
家庭の空間を改めて見直す必要があるだろう」
と話した。






朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/27 09:46
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/27/2011112700101.html

何もしない夫に妻の不満爆発、熟年夫婦の危機

毎日居間でゴロゴロしている、一日中パジャマ姿で妻の電話の会話に耳をそばだてる、どこにでもついて来ようとする。毎日三食きっちり準備しないといけない…。

定年を迎え、自宅でほとんどの時間を過ごす夫をめぐるエピソードは、急速に高齢化が進む韓国社会では、笑ってばかりもいられない深刻な問題となっている。

韓国保健社会研究院が16日に発表した「少子高齢化社会の国民意識調査」によると、
女性の71.8%が「年老いた夫の面倒を見るのが大変だ」と答えた。
同じ質問に男性の66.4%も同意した。
韓国の男性自らが
年を取れば妻にとって迷惑な存在になる
と認めた形だ。

高齢化がもたらした試練

それでもこのような調査結果に男性はショックを受け、怒りを覚える。
「これまでずっと苦労し、家族の生計を支えてきたのに、引退後に稼ぎがなくなると、妻に見下されるようになった」
と嘆く声もある。

大韓家庭法律福祉相談院によると、過去1年間に相談を求めてきた男性の44%が60代以上の高齢者だった。 
夫婦間の対立や離婚問題で悩むケースが大半で、結婚25年以上の男性相談者が昨年に比べ25%増えたという。

このような現象は30年前には考えられないことだった。
1980年には韓国の国民の平均寿命は65.7歳で、安定した職場で65歳の定年まで勤め続ける時代だった。
定年後に夫婦が共に暮らす期間は、長くても10年を超えることはまれだった。

しかし近年、高齢化が進み、「寿命100歳時代」が目前に迫っている。
50歳前後で早期退職した場合、定年後の夫婦生活は30-40年の長期にわたる。
このため、高齢夫婦間の「平和的共存」「トラブル管理」が非常に重要な問題として浮上している。

■適応できない男性

専門家はこうした現象について、どちらか一方が悪いのではなく、定年後30-40年を共に暮らす夫婦が、適応法を知らないことが原因だと指摘する。
高麗大の成瓔信(ソン・ヨンシン)教授(心理学)は
「年老いた夫が負担になる」
という表現は、『嫌だ』とか『憎い』という意味ではなく、『困る』という意味で、『目が覚めると会社に出勤し、夜中に帰宅していた夫が突然24時間ずっと家にいるようになって、
何をどうすればよいのか分からない
ことが困る』ということだ」と説明する。

成教授は
「妻は引退した夫の相手をしなければならない上、昼食、夕食まで準備し、気を使わなければなくなる。
さらには、定年で落ち込んだ夫の気持ちも慰めなければならない。
こうした状況で困らない方がおかしい」
と指摘した。

定年を迎えた夫も戸惑っている。経済発展の主役として社会の第一線で働いてきたものの、一人では何もできず、家事といえば、スプーンがどこにあるのかさえも知らなかったからだ。

■英国の男性を手本にせよ

韓国の女性が特にわがままで悪妻になりやすいのだろうか。 
チョ・ジュウン女性・家族政策担当立法調査官は
「夫の世話を女性の役割としてきた韓国社会の慢性的な性別分業が問題の本質だ」
と分析した。

韓国の男性は定年後、自宅でほとんどの時間を過ごしているが、家事をほとんどしない。
韓国の65歳以上の男性による家事労働時間は1時間1分で、米国(1 時間49分)、英国(2時間48分)に比べはるかに短い。
特に妻が炊事に毎日1時間43分をかけるのに対し、夫は17分にすぎない。

宋多永(ソン・ダヨン)仁川大教授(社会福祉学)は
「時がたてばたつほど、家父長的な権威は薄れ、夫婦間の対等な関係が必要だが、ある一方の犠牲に基づく夫婦関係を維持することは難しい」
と指摘した。

その結果として、熟年離婚も増えている。
65歳以上の女性の離婚件数は、1995年には138件にすぎなかったが、昨年には1734件に増えた。
自活する能力がないのに、家父長的な権威を振りかざす夫は法廷でも断罪される。
昨年11月に裁判所は夫(80)から6年にわたり、生活上の細かい注意点を書いたメモを受け取り指示されていた妻(76)の離婚請求を認めた。
夫は
「タラは生じゃなく干しダラに、サワラはサンマに変えること」
「豆腐は高いから、チゲ(鍋料理)には3-4個しか入れるな」
などと妻に細かく指図していた。

■両性の平等がカギ

ソウル市で夫婦2人暮らしの高齢者は、昨年現在で26万1399人に達し、高齢者全体の28.1%を占めた。
ソウルの高齢者世帯の3分の1が夫婦二人で暮らしていることになる。

保健社会研究院のイ・サムシク少子高齢化社会研究室長は
「子どもの数が少ない高齢化社会では、両性平等が求められる。
家族トラブルの解決は夫婦間の公平から始まる」
と話す。
また、高齢者の世話を家族、特に高齢女性だけに任せるのではなく、社会的な支援の拡充が求められる。
宋多永教授は
「高齢者ヘルパーバウチャー事業や、高齢者長期療養保険制度などをさらに発展させ、整備していく必要がある」
と訴えた。





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2011年11月26日土曜日

「ボルト」:リチュウム電池の発火

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● GM「ボルト」



jiji.com 2011/11/26-10:48
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2011112600122&google_editors_picks=true

衝突試験で電池発火=GM「ボルト」正式調査

 【ニューヨーク時事】米運輸省傘下の道路交通安全局(NHTSA)は25日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)「ボルト」に搭載されているリチウムイオン電池が発火する恐れがある問題について、改めて衝突試験を行った結果、発火が確認されたと発表した。
 この問題の正式調査に乗り出す。

 5月にも衝突試験を行っているが、その際は試験後約3週間が経過してから火災が発生していた。
 NHTSAは先週、改めて3台のボルトを使って試験を実施
 その結果、衝突後に1台の電池から火災が発生した。
 別の1台の電池からは煙と火花が確認できたという。




Bloomberg.com.jp 更新日時: 2011/11/26 09:54 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aF0sNppusKIE

米運輸省:GM「ボルト」を調査へ、リチウムイオン電池発火で

 11月26日(ブルームバーグ):米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は25日、米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」の安全性調査を実施すると発表した。
 韓国LGケムが供給するボルトのリチウムイオン電池
が衝突試験の後に発火したことを受けた措置。

  NHTSAの発表資料によると、ボルトは、5月12日の側面衝突試験の3週間後に発火。
 
先週行った3回の追加試験でもボルトのバッテリーパックは損傷を受け、2回は発火に至ったという。



 リチュウム電池というのは扱いにくいシロモノ。
 Wikiprdiaより

特徴
* 高電圧が得られる
* マンガン乾電池の約10倍と電力容量が大きい
* 長寿命
* 軽い
* 放電末期まで電圧降下が少ない
* 低温でも使用可能
* 大電流放電には向かない



 これを電気自動車に使うとき、メーカーは自動車にあわせて改良修正を加えている。

ELECTRO TO AUTO FORUM
http://e2a.jp/review/090918.shtml

EV量販の生命線は高性能リチウムイオン電池の確保

 EVの価格と航続距離を決めるカギとなるのは、主に二次電池である。
 三菱自動車のEV「i-MiEV」の車両価格は約460万円。
 このうち、おおよそ200万~300万円はリチウムイオン電池のコストであるといわれている。
 i-MiEVのリチウムイオン電池は、重量は約200kg、これを床下一面に敷き詰める。これで、i-MiEVを160km走らせることができる。
 EVの航続距離を伸ばすためには、重量やスペースの制約の中でどれだけのエネルギーを詰め込むことができるか、電池の性能向上によるところが大きい。

 EVの性能を大きく左右する二次電池について、
 自動車メーカーの選択は大きく2つ
に分かれる。
 一つは電池メーカーとの共同開発、
 もう一つは電池メーカーとの合弁会社の設立である。
 日産の選択は後者である。
 同社は、2007年4月にNECと自動車用リチウムイオン電池の合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ」を設立。
 日産は同社に51%を出資する。
 オートモーティブエナジーサプライは、富士重工のEV「スバルプラグインステラ」にリチウムイオン電池を供給するなど、着実に実績を積み上げている。
 日産のカルロス・ゴーン社長兼CEOは、
 「EVを量販車として、今後何十万台、何百万台と量産するには、電池を他社に依頼するのではなく、自ら手掛けなければならない」
と語る。


 電気自動車のコストの半分はリチュウム電池だという。
 よってメーカーは様々な対応をしている。
 それに対してGMは何らの手を打たず、ただ安いというだけのメリットだけで韓国LGケムのバッテリーを「ボルト」の電池に採用したらしい。



jiji.com (2012/01/06-06:54)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012010600077

米GMボルトを自主回収=電池発火の恐れ
-「再生の象徴」で痛手

 【ニューヨーク時事】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は5日、搭載されているリチウムイオン電池が発火する恐れがあるとして、米国で販売した電気自動車(EV)「シボレー・ボルト」を自主的に回収し、安全対策を行うと発表した。
 「顧客満足度を高めるための措置」
で、リコール(回収・無償修理)ではないとしている。

 ボルトは、出遅れていた環境対応技術で挽回するため、2010年末に投入したGMの再生の象徴。
 昨年末までに約8000台を販売した。
 ボルトの安全問題は、09年の経営破綻から順調な業績回復を遂げた同社のイメージに悪影響を及ぼす恐れもある。






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テラヘルツ帯無線通信に成功

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● テラヘルツ帯無線通信器



サーチナニュース 2011/11/26(土) 16:16
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1126&f=it_1126_005.shtml

世界初、小型半導体素子を用いてのテラヘルツ帯無線通信に成功

  光の直進性と電波の透過性をあわせもつテラヘルツ波は、光と電波の中間領域(周波数100GHzから10THz)にあたる電磁波の一分類で、それを発生及び検出する技術が非常に難しく、これまで未開拓電磁波領域と呼ばれていた。
 しかし近年は、技術の進展により徐々に開発が進み、高速無線通信やセキュリティ用途など、さまざまな分野への応用が期待されているようだ。

  現在、周波数275GHzまでの帯域は電波として割り当てが決められており、ミリ波を使用した無線通信の帯域幅はわずか7GHzと狭く、単純な変調では数Gbps程度の伝送速度が限界だった。
 限られた帯域の中でデータ伝送速度を高めようとすると、より複雑な変調方式を使う必要があり、消費電力の増加にもつながっていたという。
 一方、テラヘルツ波を含む275GHz以上の領域では周波数割り当てが決められていないため、より広い帯域を確保することが可能で、消費電力を増やすことなく、単純な変調方式でデータ伝送を高速化することができる。
 ただ、現在テラヘルツ帯で使える発生装置や検出装置(例えば分光・分析装置で利用されている)は大型かつ高価であり、民生分野での実用化に向けて小型で簡便なテラヘルツ帯デバイスが求められていた。

  そのような中、半導体メーカーのローム と大阪大学の研究グループは、共鳴トンネルダイオードによる発振素子と、検出素子を用いることで、小型デバイスでの300GHz高速無線通信(1.5Gbps)に成功した。

  今回開発された技術は、半導体基板上に放射効率、指向性を改善したアンテナ構造を集積化することにより、素子の小型化(1.5mm×3.0mm)に成功。
 今回用いた素子は、素子にかける電圧によって発振素子(周波数300GHz)として動作する領域と、検出素子として動作する領域があり、発振素子としては電圧をかけるだけで発振が得られ、検出素子としては従来のテラヘルツ帯検出器に比べて4倍の高い感度を実現している。
 これに加え、共鳴トンネルダイオードに最適な変調・復調システムを独自に構築することにより、データ伝送の高速化(1.5Gbps)を実現。非圧縮でのハイビジョン映像の無線伝送にも成功している。
 こうした小型半導体素子を用いたテラヘルツ無線通信は世界初となる。将来的には30Gbps程度の超高速伝送も可能。
 さらに、1 つのチップが発振素子と検出素子の両方の役割を果たすことが出来るため、素子間での双方向通信も可能となっている。

  現在、テレビもフルハイビジョン(HD)の4倍の画像解像度を持つ「4K」家庭向けテレビや映写機が相次いで開発されている。
 しかし、このようにテレビ画像の高精細化が進むことにより、データ容量も膨大になり、超高速での無線通信技術が強く求められているのが現状だった。
 こうした大容量データをサーバから携帯端末などに伝送する場合、一般的な100Mbpsのイーサネットで10分かかっていたデータ容量のものでも、同技術(1.5Gbps)を用いれば約40秒で伝送でき、将来的にはわずか数秒に短縮することも可能となる。

  また、テラヘルツ波は紙や衣服を透過し、金属のみを反射するという特性を持っており、郵便物の危険物検査や空港のセキュリティチェック、医薬品の品質検査など、幅広い分野への応用も期待されている。同技術は実用化への大きな課題であった小型化や消費電力の低減にも大きく貢献しており、いち早い実用化に向け、今後もさらに共同研究を推し進めていく。





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2011年11月24日木曜日

中国のツイッター(ミニブログ)

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● 中国人にきく:ミニブログを解説しているか



サーチナニュース 2011/11/24(木) 09:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1124&f=national_1124_024.shtml

深く広く浸透する中国版ツイッター 脅威の開設率とその傾向とは?


  中国人を対象に行った「ネットメディア」に関するインターネット調査で、
 「あなたはブログ、またはミニブログを開設していますか」
と質問したところ、
 「両方とも開設している」と回答した人が半数以上を占めた。
 回答者数3000人。
 調査はサーチナ総合研究所(上海サーチナ)が2011年10月に実施。

◆「あなたはブログ、またはミニブログを開設していますか」との質問に対する回答状況は以下の通り。(単数回答)

(1)ブログだけ開設している……8.6%
(2)ミニブログだけ開設している……26.1%
(3)両方とも開設している……52.7%
(4)どちらも開設していない……12.6%

  「ブログだけ」が1割に満たないのに対し、「ミニブログだけ」は4人に1人に達しており、ミニブログの浸透力の大きさが浮かび上がった。
 「ミニブログだけ」と「両方とも」をあわせると、ネットユーザーの8割近くがミニブログを利用していることが分かった。

  「ミニブログだけ」または「両方とも」と回答した人の割合を世代別に集計すると、19歳以下(81.8%)、20代(84.6%)、30代(72.9%)、40代(70%)、50代(57.8%)となり、10代―20代の世代で、特に利用率が高かった。
 一方、50代では「ブログだけ」と回答した人の割合が14.4%と他の世代より高く、ブログだけの利用者に限ると中高年の方が若者より比率が高かった。




サーチナニュース  2011/11/22(火) 10:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1122&f=national_1122_054.shtml

新聞やTVより「中国版ツイッター」を情報源として信頼する人は15%-中国



 中国人を対象に行った「ネットメディア」に関するインターネット調査で、
 「あなたが情報源としていちばん信頼している媒体は何ですか」
と質問したところ、4割以上が「テレビ」と回答した。
 「インターネット上のブログやミニブログ」と回答した人は約15%だった。
 回答者数3000人。
 調査はサーチナ総合研究所(上海サーチナ)が2011年10月に実施。

◆「あなたが情報源としていちばん信頼している媒体は何ですか」との質問に対する回答状況は以下の通り。(単数回答)

(1)テレビ……43.1%
(2)ラジオ……2.2%
(3)新聞や雑誌……12.9%
(4)インターネット上の新聞社のウェブサイト……20.4%
(5)インターネット上のブログやミニブログ……14.8%
(6)海外のウェブサイト……1.7%
(7)そのほか……4.9%

  「インターネット上のブログやミニブログ」の約15%という数字は一見少ないようだが、「いちばん信頼している媒体」として挙げている数字として考えれば、かなりのものと言えるだろう。
 地域別でもっとも数値の高かった「北京市」では、18.3%が「ブログやミニブログ」を最も信頼できると答えた。

  「インターネット上のブログやミニブログ」と回答した人の割合を世代別で見ると、19歳以下が18.2%ともっとも高く、「新聞や雑誌(19.2%)」に匹敵するポイントだった。
 20歳以上は年代があがるにつれて減少していき、50歳以上では7.8%に留まった。




サーチナニュース  2011/11/18(金) 12:09
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1118&f=column_1118_012.shtml

多様化する中国メディア(1)身近な情報と信頼できる情報の狭間で



(1)変わりゆく中国メディア
  中国のメディアが目まぐるしい変化を遂げている。
 テレビや新聞など、旧来のメディアだけでなく、消費者自身が情報を発信できるようになったことで、情報の経路も拡大し、解釈の多様化を生んだ。
 ひとつの契機となったのが、ブログ(博客)や中国版ツイッター「微博(ウェイボー/ミニブログ)」の急速な普及だ。

  特に、米国生まれの「ツイッター」を中国市場から排除し、中国国内を中心に「産業育成」を進めた結果、ウェイボーは2億人を超えるユーザーを獲得するに至った。
 今やウェイボーは日本でも多くの著名人がサイトを開設し、大量の中国人フォロワーを得ている。

  こうした潮流は旧来のメディアにも影響を及ぼしている。
 ただし、ネットメディアの排斥ではなく、融合の道を選んだ。
 例えば一部の新聞には「今日のブログ」として、専用の欄が設けられており、ネットユーザーの声を顔写真付きで掲載している。
 また、テレビでは「視聴者からのお便り」がウェイボーで紹介されることも多くなった(司会者による読み上げもあるが、番組の公式サイトに対するツイートをテロップ型で画面下に流す形式が多い)。

  電話やメール、FAXとは異なり、ネット上で誰でも閲覧できる情報なので、透明性はある程度確保されていると言えるだろう。
 このように、新旧のメディアが互いに浸透しつつあるのが、昨今の中国メディアの現状だ。

(2)メディアの頻度と信頼度
  それでは、メディアの多様化が進むなか、中国の一般消費者は何を主要な情報源と見なしているのだろうか。

  サーチナ総合研究所(上海サーチナ)は2011年10月、中国全土3000人を対象にインターネット調査を実施。
 「普段、主にどのような媒体から情報を得ていますか(複数回答)」
という設問に対し、
 「テレビ」と回答した人が最も多く(75.5%)、「新聞社のウェブサイト」が61.6%、これに「ブログやミニブログ(48.3%)」、「新聞や雑誌(46.7%)」と続いている。

  テレビは依然として主要な情報源になっているが、ネットへの依存度も高く、数字上では新聞や雑誌といった既存の紙メディアを越えている。
 実際、街角で見かける小さな新聞販売店は飲料やスナック売り場に衣替えするケースも珍しくなく、新聞を売る売店は軒並み減少している。

  一方、「メディアに対する信頼」という観点からは、やや異なった視点が現れる。
 上記に続き、
 「いちばん信頼している媒体は何ですか」
と聞いたところ、最も高い「テレビ」で43.1%、「新聞社のウェブサイト」が20.4%、「ブログやミニブログ」が14.8%と続いた。
 「新聞や雑誌」については12.9%となっており、テレビと合わせるとほぼ50%、つまり半数は既存のメディア、残る半数はネットメディアに対する信頼を深めているということになる。

  もっとも、紙媒体である新聞はネットメディアにも力を入れており、いわゆる官対民の区別という図式ではない。
 あくまでもメディアの形態と、そこから産出される情報への信頼性という意味において、である。

(3)双方向性へ向かう中国メディア
  中国ではネットメディアの急速な普及によって、さまざまな変革が始まった。
 これまでの、一方向的な解釈としての「官製情報」は、ネットメディアなどの出現によって批判にさらされた。
 ブログやウェイボーといった個人レベルの情報発信ツールの出現も大きな要素になっており、時として現実的な行動を促す役割を果たした。

  いまや、地方政府なども「網民(ネットユーザー)と語る会」を開催するほど、「姿無き声」の存在感は高まるばかりだ。
 最近になって中国当局は、ネット言論を引き締める姿勢を見せているが、巨大化した中国のネットメディアの統制は簡単ではないだろう。

  むしろ、中国のメディアは今後、ますますリアルとネットのあいだで相互に参照、言及しあうような形式を採っていくことが予想される。
 形式的かもしれないが、信頼のための手続きとして超えなくてはならない壁になるだろう。
 現実的な社会の発展では、近年ますます政策に対する住民参加、つまり「参与性(参加型)」の重要さが各方面で説かれているが、いまや「ネットからの参加型」が中国のメディアを揺り動かしているのだ。




サーチナニュース  2011/11/15(火) 09:15
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1115&f=national_1115_017.shtml&pt=large

中国ネットユーザーの5割が「中国版ツイッター」を情報源に、若い世代で顕著



 中国人を対象に行った「ネットメディア」に関するインターネット調査で、
 「あなたは普段、主にどのような媒体から情報を得ていますか」
と質問したところ、約半数の回答者が「インターネット上のブログやミニブログ」と答えた。
 回答者数3000人。調査はサーチナ総合研究所(上海サーチナ)が2011年10月に実施。

◆「あなたは普段、主にどのような媒体から情報を得ていますか」との質問に対する回答状況は以下の通り。(下記から3項目を選択)

(1)テレビ……75.5%
(2)ラジオ……16.6%
(3)新聞や雑誌……46.7%
(4)インターネット上のニュースサイト……61.6%
(5)インターネット上のブログやミニブログ……48.3%
(6)海外のウェブサイト……3.2%
(7)そのほか……6.9%

  もっともポイントが高かった「テレビ」は北京市(79.1%)、上海市(81.3%)、重慶市(77.9%)など都市部で平均を上回ったが、陝西省(69.4%)、江蘇省(69.7%)など地方では平均を下回った。
 逆に、地方では「インターネット上の新聞社のウェブサイト」と回答した人の割合が、平均を上回る傾向が見られた。

  世代別では、どの年代も「テレビ」のポイントがもっとも高く、特に中高年では顕著だった。
 40歳代のうち84.2%、50歳以上のうち86.7%が「テレビ」と答えた。
 「インターネット上のブログやミニブログ」については19歳以下では53.5%で、テレビに次いで2番目にポイントが高かった。
 「インターネット上のブログやミニブログ」の回答者の割合は年齢が高まるにつれて減少する傾向があり、30歳代では40%台、40歳以上では30%台だった。




サーチナニュース  2011/11/09(水) 16:10
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1109&f=it_1109_015.shtml

中国版ツイッターのユーザー数2.27億、1日に8,600万ツイート

  中国インターネット大手の新浪(SINA)は2011年1―9月の財務報告を発表した。
 中国版ツイッターの最右翼・新浪微博の登録ユーザー数は9月末時点で2億2700万に達した。
 当初年内目標だった2億は、5カ月早く、8月に到達していた。
 年内にも2.5億に達する見込みだという。

  新浪は7―9月において、新浪微博の営業・開発に対する投資を前年同期と比べて倍増させた。
 「今後も新浪微博に対する投資やリソースの集中を進め、われわれの“微博”市場における地位をいっそう固める」(同社最高経営責任者(CEO)曹国偉氏)という。
 ライバルである騰訊(テンセント)の騰訊微博とは、登録ユーザー数的にはほぼ互角。

  また、新浪微博の1日あたり平均ツイート数は8600万本に達しており、トラフィックも23%上昇しているという。

  2012年から新浪微博の収益化を本格化させる予定で、現地業界関係者は、「初年度、新浪微博における広告売り上げだけでも5000万ドルに達する」と見ている。
 また、バーチャル通貨である「微幣」もすでにリリースしており、ユーザーは数字アカウント(「微号」)を購入できるようになっている。
 微号とオンラインゲームとの連携も進められており、「微号のビジネスだけで年間3100万ドルの収益となる」(同上)という。




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テレビ以上にネットをチェック…東南アジア諸国のメディア視聴時間

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● 東南アジア6ケ国のインターネット普及率



サーチナニュース  2011/11/24(木) 07:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1124&f=column_1124_001.shtml

テレビ以上にネットをチェック…
東南アジア諸国のメディア視聴時間をグラフ化してみる

 米調査機関のNielsenは2011年11月10日、東南アジア諸国のインターネットやモバイル端末の利用状況、それらを合わせたデジタル機器の利用時の関連性などを調査した「SoutheastAsianDigitalConsumerHabitsandTrends」の概要レポート「SurgingInternetUsageinSoutheastAsiaReshapingtheMediaLandscape」を発表した。
 
 そこで先の記事
 【アジア諸国のネット利用率をグラフ化してみる:http://www.garbagenews.net/archives/1858093.html
と同じように、「SoutheastAsianDigital~」などを元に東南アジア諸国のデジタル事情をかいま見て行くことにする。
 今回は「テレビやインターネットなど、メディアに費やす時間」にスポットライトをあてることにしよう。

 今調査の調査対象はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6か国。
 調査対象総数は8000人以上で15歳以上の男女を対象としている。
 なおデジタルコンシューマとは、デジタル機器の利用者層を意味する。

  先に
 【東南アジア諸国におけるパソコンやタブレットPCなどの世帯保有率をグラフ化してみる:http://www.garbagenews.net/archives/1858713.html
でも触れたが、
 パソコン・携帯電話の別を問わなければ、今回取り上げる東南アジア諸国のインターネット普及率は次の通り。

  そして何らかのデジタル機器を持つ層(デジタルコンシューマ)に限れば、インターネットへの窓口を持つ人はかなりの割合に達する。

  それではこのデジタルコンシューマ層によるメディアの利用性向は、どのようなスタイルを見せているのだろうか。
 「インターネット」以外に「テレビ」「ラジオ」「新聞(紙媒体)」の項目を用意し、1週間単位の消費時間を答えてもらった結果が次のグラフ。

  デジタル機器と何らかの形で接触している人達を調査母体にしていることもあるが、インドネシアとベトナム以外の4か国で
 「テレビ視聴以上の時間をインターネットに費やしている」
という結果が出ている。
 大体1.5倍~2倍の差異で、シンガポールの場合は2倍以上となっている。
 他方ベトナムはインターネットとテレビ視聴がほぼ同時間、インドネシアに至ってはテレビ視聴の方が長い。

  ラジオや新聞購読の時間は、国別の差異はあまり見られない。
 ややシンガポールが長いかな、という程度。
 日本の事例
 【減る「テレビ」「新聞」、増える「ネット」……メディアへの接触時間推移をグラフ化してみる(2011年発表版):http://www.garbagenews.net/archives/1779231.html】や
 【テレビの視聴時間、若年層で減少中、でもその分高齢者が増えて…:http://www.garbagenews.net/archives/1752583.html】、
 アメリカの事例
 【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図:http://www.garbagenews.net/archives/1080110.html
と比較するのも一興だろう。

  ただしこれらの時間のうち、インターネットとテレビの視聴時間については少々留意しておくべきことがある。
  【「テレビ観ながら」タブレット機やスマートフォン7割、でも電子書籍リーダーは?:http://www.garbagenews.net/archives/1778812.html
などでも指摘しているように、メディアアクセスのハードルが下がるにつれて、「ながら視聴」をする人は増加傾向にある。
 今調査母体でもベトナムで34%、シンガポールやマレーシア、タイでは7割台の人が「テレビを観ながらインターネットを使う」と答えており、時間の長さがそのまま各媒体の利用の「質」を意味しないことが分かる。

  逆に「テレビ視聴」の窓口も多様化している。
 単にテレビ放送の受信機を使い生放送を観るだけでなく、インターネット経由(公式サイト、YouTubeなどの共有サイト)で視聴したり、録画視聴をするスタイルが増えている。
 比較的「生放送をじっくり観る」スタイルが多いのはインドネシアとベトナムで、テレビ視聴時間の長さとそのまま連動している感はある。

  テレビが娯楽の主軸にあることには違いないが、消費時間の動向や視聴スタイルを見る限り、すでに唯一無比な存在では無いのも間違いない。
 今後は多彩な切り口での、「ながら」視聴が多分に行われていることを前提とした、サービスの提供や演出も考慮しなければならないだろう。

 (情報提供:Garbagenews.com)






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世界のインターネット接続速度:世界平均580KBps

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● ダウンロード速度の世界平均は580KBps



TechCrunch on 2011年9月22日
http://jp.techcrunch.com/archives/20110921a-look-at-whos-winning-the-global-internet-speed-race-infographic/

世界の国々のインターネット接続速度
―トップの韓国に続いたのは意外なグループ

 われわれは7月にデジタル・ダウンロード・サービスのPando Networksが発表した調査を紹介した。
 ここではアメリカの都市の間でインターネットへのアクセスの速度と品質に驚くほどの格差が存在することが明かされていた。

 今日(米国時間9/21)、Pando Networksはアメリカばかりでなく、世界各国のネット接続速度と信頼性に関する調査を発表した。
 これによって世界のデータアクセスの現状を広汎に知ることができる。



 面白いことに、ダウンロード速度の世界平均は580KBpsだそうだが、なんとアイダホ州の接続速度はこれに遠く及ばない。
 一部の読者には衝撃かもしれないが、アメリカ全体の接続速度は616KBpsで世界での順位は26位に過ぎない。
 1位に輝いた韓国は2,202KBpsという恐るべきスピードだ。

 韓国に続く上位グループの顔ぶれも意外で、東欧の小さな国々だ。
 2位のルーマニアが1,909KBps、
 3位のブルガリアが1,611KBps。
 さらにリトアニアが4位で1,462KBps、
 ラトビアが5位で1,377KBps、
 ウクライナが8位で1,190KBps
であるのに、北アメリカ全体が接続速度に関してはかんばしくない成績だ。

 上で書いたようにアメリカが26位、カナダが31位、メキシコが86位だった。〔日本は1,364KBpsで6位、7位はスウェーデンで 1,234KBps〕。

 アフリカとアジアの途上国が下位を占めたのは予想どおりだ。
 コンゴが13KBpsで最下位、中央アフリカが14KBpsでこれに続いた。

 中国は245KBps、
 オーストラリアは348KBpsだった。



 リストするとこうなる。

1.韓   国   2202KB/s
2.ルーマニア  1909KB/s
3.ブルガリア   1611KB/s
4.リトアニア   1462KB/s
5.ラトビア    1377KB/s

6.日    本  1364KB/s
7.スウェーデン 1234KB/s
8.ウクライナ   1190KB/s
9.デンマーク  1020KB/s
10.香   港   992KB/s 



 東欧圏、北欧圏といったところが非常に速い。


 ダウンロード速度の世界平均は580KBps。
 西欧圏はほぼ世界平均である。

ドイツ 647KBp/s、 
米国 616KBp/s、
フランス 604KB/s、
英国 599KB/s、
カナダ 579KB/s、

オーストラリア 348KBp/s

 
 
 世界で一番速いのは韓国で「恐るべきスピード」だそうである。
 さすが「IT強国」と自負するだけのことはある。
 日本はその60%程度の速度しかない。
 北欧は日本とどっこいどっこい。

 西欧諸国はとなると日本の半分くらい。
 でも、それが世界の平均である。
 つまり、日本は世界平均速度よりは2倍は速いということ。
 韓国はなんと4倍速いことになる。



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がん細胞を光らせる試薬開発:GGT酵素

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● NHKニュース



NHKニュース 2011年11月24日 4時51分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111124/t10014157751000.html

がん細胞を光らせる試薬開発

 CTなどでは判別が難しい大きさ数ミリのがんを光らせて、ごく短時間で検出できる試薬を、東京大学などの研究グループが開発しました。
 肉眼で確認できないがんを見つけ、取り残しを防ぐ技術につながると期待されています。

 東京大学の浦野泰照教授とアメリカ国立衛生研究所の小林久隆主任研究員らのグループは、がん細胞の表面に多く現れる「GGT」という酵素に注目し、この酵素に触れると化学変化を起こして緑色に光る試薬を開発しました。
 そして、ヒトの卵巣がんを移植したマウスの腹部に試薬を吹きつけたところ、1分ほどで、点在していた1ミリ以下のがんが光りだし、肉眼ではっきりと確認できたということです。

 今のところ、がん細胞を検出できる確率は卵巣がんで3分の2ほどですが、研究グループでは、さらに細胞の性質を調べて確実な検査法にしたいとしています。
 今回利用したGGT酵素は、肺がんや肝臓がん、それに乳がんや脳腫瘍などにも現れるということで、実用化できれば、手術の際に肉眼で確認できないがんを見つけ、取り残しを防ぐ技術につながると期待されています。
 浦野教授は
 「手術中にスプレーして小さいがんをその場で見ることができれば、見落としの問題を克服できる。
 実用化に向け研究を進めたい」
と話しています。




毎日.jp 毎日新聞 2011年11月24日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/science/news/20111124ddm005040087000c.html

がん細胞:スプレーで発光 手術、検査で見落とし防ぐ--東大など試薬開発

 患部にスプレーをかけて、がんだけを明るく光らせる技術を、東京大と米国立衛生研究所のチームが開発し、23日の米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に発表した。
 マウスの実験で確認した。
 手術や検査の際、がんの見落としを防ぐ方法として、臨床応用を目指す。

 チームは、がん細胞で特に働きが強まる酵素を見つけ、その酵素と結びつくと緑色に光る試薬を開発した。
 がんを移植したマウスの腹部を開け、試薬をスプレーしたところ、数十秒~数分後にがんの部分だけが肉眼でも確認できるほど強く光り出した。
 開腹せず内視鏡を使ってスプレーした場合も同じ結果が得られた。

 この酵素は肺がんや肝臓がん、一部の乳がん、大腸がんなどで強く働く。
 正常細胞にもこの酵素は存在するが、がん細胞の方が20倍以上明るく光るため、区別が可能。
 1ミリ以下のがんも光らせることができるという。

 チームの浦野泰照・東京大教授(ケミカルバイオロジー)は
 「使用量はヒトの場合でも1ミリグラム程度と極めて微量で、副作用の心配は少ない
 切除手術中に見落としがないかを確認したり、がんの転移を確認するのに役立てたい」
と話す。




東京大学 平成23年11月24日
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20111124-2/

スプレーするだけでがん細胞が光り出す蛍光試薬を開発
-外科・内視鏡手術における微小がん見落としの問題に大きく貢献-

科学技術振興機構(JST)
東京大学 大学院医学系研究科

 JST 課題達成型基礎研究の一環として、東京大学 大学院医学系研究科の浦野 泰照 教授と米国国立衛生研究所(NIH)の小林 久隆 主任研究員は、外科手術時や内視鏡・腹腔鏡施術時に、がんの存在が疑われる部分にスプレーするだけで、1分前後でがん部位のみを鋭敏に検出できる試薬の開発に成功しました。
 現在、PETやMRIなどの原理に基づくがん診断法が医療現場で利用されていますが、これらの手法では1cm以下の微小がんの検出は困難です。
 しかし、がんの再発を防ぐには、例えば、腹腔内に転移した1mm程度の微小がんを検出し、これを全て取り除くことが非常に重要です。
 現状では、特殊な光学系を採用した内視鏡などを用いて、手術者自身の経験に基づいてくまなく探す以外に方法がなく、微小がん部位の見落としや取り残しが大きな問題となっていました。
 このようにがん手術の臨床現場では、微小がん部位の適確な検出法の確立が強く求められていました。
 今回研究者らは、がん細胞が持つ特殊な酵素活性を鋭敏に検出し、がん部位のみに強い蛍光色を付ける試薬の開発に成功しました。
 この試薬を溶解した水溶液をがんが疑われる部位に少量スプレーするだけで、数十秒~数分程度で手術者の目でも直接確認できるほどの強い蛍光が、がん部位から観察されることを、がんモデル動物を用いた実験で証明しました。
 このような局所散布による、短時間での鋭敏ながん部位可視化技術は、ほかに例のない世界初の技術です。

 本研究成果は、外科手術時や近年実施例が急増している内視鏡・腹腔鏡下施術において、微小がん部位の発見や取り残しを防ぐ画期的な技術として、臨床応用が期待されるものです。
 現在、浦野教授を研究代表者とするJST 研究加速課題において、東京大学医学部附属病院、がん研究会有明病院、NIHと協同して、この蛍光試薬の効果の検証を患者体内から取り出したばかりのがんサンプルを用いて行っています。
本研究成果は、2011年11月23日(米国東部時間)発行の米国の医学科学誌「Science Translational Medicine」に掲載されます。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。
戦略的創造研究推進事業 研究加速課題
研究課題名 「光機能性プローブによるin vivo微小がん検出プロジェクト」
研 究 者 浦野 泰照(東京大学 大学院医学系研究科 教授)
研究期間 平成22年1月~平成26年12月
上記研究課題では、モデルマウスでの成果・実績をもとに、開発した有機プローブ分子をヒトのがん診断に臨床応用するための基礎データ(前臨床データ)を収集するとともに、新たな有機プローブ分子の開発を行う研究を加速します。

<<以下 詳細 略>>




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2011年11月23日水曜日

カニの甲羅の透明化へ

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● たんぱく質を除去するなどして透明に加工したズワイガニの甲羅=京都大提供
 読売新聞より




毎日新聞 2011年11月21日 21時19分(最終更新 11月21日 23時01分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20111122k0000m040051000c.html


● カニの甲羅(上)。下は加工前の甲羅

カニ:京大研究所が甲羅の透明化に成功

 京都大生存圏研究所(京都府宇治市)の矢野浩之教授(生物材料学)は21日、カニの甲羅を透明にすることに成功したと発表した。
 熱に強く柔らかな材料として、有機ELディスプレーや太陽光発電の素材への応用が期待できるという。
 英国王立化学会の専門誌「ソフトマター」に掲載される。

 カニの甲羅は、「キチン」という高分子の極めて細い繊維からできている。
 研究グループは、化学処理してたんぱく質などを除いた甲羅に、アクリルなどの樹脂を染み込ませると透明化することを発見した。

 この原理を応用し、たんぱく質などを除いた甲羅を粉末にして紙でろ過し、樹脂を加えて透明シートを作製。
 シートはキチン繊維の効果で、元の樹脂より10倍も熱に強く、ディスプレー基板にも十分な強度があるという。
 ガラスと違ってロール状にもでき、加工も容易だ。

 矢野教授は
 「カニやエビだけでなく、将来は植物繊維も利用できるだろう。
 バイオマス資源の可能性がさらに広がった」
と話している。




2011年11月22日21時58分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111122-OYT1T00745.htm

カニ殻からガラスに代わる素材を開発

 カニやエビの殻から、折ったり丸めたり自在にできる透明で極めて薄い膜状の素材を作ることに、京都大生存圏研究所の矢野浩之教授らが成功した。

 極薄のディスプレーの表面材料を実現できる技術で、近く英国の材料専門誌に発表する。

 カニなど甲殻類の殻は、高分子繊維・キチンが塊のように集まり、それをたんぱく質と炭酸カルシウムががっちり固めているため、強いのが特長だ。

 矢野教授は、ズワイガニの甲羅から、化学処理でたんぱく質などを除去し、キチンだけに加工。
 この後、たんぱく質が抜けた隙間に透明樹脂を浸透させると、ガラス細工のように透明な甲羅ができた。

 この甲羅の粉末から、厚さ100~200マイクロ・メートルの透明膜を作製。
 紙のように軟らかいうえ、熱にも強く、約200度まで透明のままという。

 矢野教授は
 「ガラスに代わる素材が簡単にできた。
 生物が何億年もかけてつくった仕組みを借り、新材料の開発に応用できることを示せた」
と話している。


 これが利用できたらな、というものはそこそこある。
 こういう研究は昔から行われてきた。
 有名なのは石炭から石油を取り出す方法。
 石炭から石油は取り出せるがコストがかかりすぎる。
 でも、南アフリカはそうやって石油を得ている。
 石炭は無尽蔵だから、コストがかかっても構わない。
 つまりエネルギーがかかっても構わない。
 なにしろ石油が欲しい、というワケである。



 あるいは「トウモロコシの芯から食料を得る方法」。
 なんとなく、利用できそうに思える芯だが、いろいろな使われ方をしてはいるが、
 まだ食料は得られていない

 トウモロコシの穂軸は、合成繊維、プラスチックの製造などに使う液体フルフラールの重要な原料である。
 穂軸をすりつぶしたものは、柔らかめの研磨剤として利用される。
 特種なタイプのトウモロコシ、コブパイプコーンの大きく丸い穂軸は、タバコ用のパイプとしてつかわれる。
 コーン油は胚芽から抽出したもので、調理油やサラダ油として利用され、マーガリンにも加工される。
 その他、ペンキ、石鹸、リノリウムの製造にも利用される。


 でも将来に向けて、様々に研究されていくだろうと思う。



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財産全部を寄付し、月10万程度で生活する元富豪

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● カール・ラベダー氏:ロケットニュース24




ロケットニュース24 2011年11月22日
http://rocketnews24.com/2011/11/22/154841/

財産全部を寄付し、月10万程度で生活する元富豪
「お金が私から幸せを遠ざけていた」

 お金は多いほど幸せも大きくなるのだろうか? 
 そのことの答えは、人によって異なるだろう。
 オーストリアのとある富豪は、長年悩み続けた結果、ひとつの結論に達した。
 彼が自らの経験から導き出した答えは、「すべてを手放す」ということ。

 彼は約100坪の持ち家、別荘、車、趣味で集めていたグライダーを売り払い、本業であった室内装飾品ビジネスさえも手放して、貧しい国を支援する組織を設立し、そのすべてのお金を寄付したのである。
 彼によれば、お金は彼から幸せを遠ざけていたというのだ。

 財産のすべてを手放して、一から生活を組み立て直したのはオーストリアの富豪、カール・ラベダー氏だ。
 彼は生活するのにまったく差し支えないだけのお金を稼いでいた。
 差し支えないどころか、裕福・富豪と呼ばれるだけの富を得ており、別荘を持っており趣味でグライダーを集めるだけのお金を得ていたのである。

 しかし、彼には長年ある疑問があった。
 貧しい家庭で生まれ育った彼は、規則的に働き続けることでお金を得ることができるようになり、お金を得ることで自動的に幸せになると信じていたのだ。
 ところが、ビジネスで成功するようになると、それが間違いではないかと思わざるを得なくなってきたのだ。

 まるでお金を守るために奴隷のように働いている気さえする。
 その疑問は歳を重ねるごとに大きくなって行き、ハワイへ旅行に出かけた際に、あることに気がついたのだ。

 それは、ホテルや観光施設で接客してくれるスタッフが、自分のお金で動いていることを理解したのである。
 長期休暇で長らくハワイに滞在したのだが、彼は本当に人間らしい人に出会わなかったと感じた。
 お金があるが故にお金を使うことに依存し、自らが人との付き合いを軽薄にしているのではないかと感じ取った。

 のちに彼は、アフリカ旅行にでかけるのだが、そこで自らの富が彼らの貧困と強い因果関係にあると悟り、すべてを手放すことを決意するのである。
 そして財産をすべて売却して「MyMicroCredit」と呼ばれる第三国支援の組織を設立、すべてのお金を寄付したのだ。

 彼はメディアの取材に応えて、次のように語っている。
 「経済的な成功に執着するとき、人間らしさを損なっていくのかもしれない。
 たとえば、出会った相手がいくら金を持っていて、自分にとってどう有益に働くのか、そればかりを考えてしまう」
と説明している。

 そして、
 「これまでの人生で具体的に何を損なったか?」
との質問に対して、
 「時間」
と答えている。
 「本当の自分や、人間らしさを見つけるために20年を費やした
と振り返っているのである。

 現在彼はライフスタイルコーチとして活躍しており、
 「幸せは学ぶことができる」や
 「幸せであるのに十分なお金」
などをテーマにセミナーを行い、
 「何も持たないものは『与えること』ができる」
という著書を発刊している。
 思い切った人生の転換は、彼にとって良い結果をもたらしたようである。

参照元:ODDITY CENTRAL(英語)




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2011年11月22日火曜日

「日本は小国でない…実はわが国より大きい」というデマ

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● 海上保安庁海洋情報部の管轄海域情報ページ



 インターネットを検索していたら出てきたのが下の記事
 「日本は小国でない…実はわが国より大きい」という題。
 本当だろうか。
 そんな話、これまでまったく聞いたことがなかった。


サーチナニュース 2011年11月20日12時22分
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1120&f=national_1120_072.shtml

【中国ブログ】日本は小国でない…実はわが国より大きい

 中国人ブロガーの「唯吾知足」さんはこのほど、
 「中国人は、『日本は小さい』とよく言うが、
 日中がそれぞれ所有している海洋面積を知れば、いったいどちらが大きいのかが分かるだろう
と述べ、自身のブログで日中の海洋領土に対する認識の違いをつづっている。

 筆者は、1つの国家が所有する海洋領土がその国の生存と発展に大きな影響を与えると述べ、
 「日本は今年度内に排他的経済水域のよりどころとなる49の離島すべてに名前をつけるよう本腰を入れている」
と指摘、日本は排他的経済水域をより拡大しようとしていると述べた。

 国土交通省は2010年度予算に7億円を計上し、日本最南端の沖ノ鳥島と最東端の南鳥島に埠頭を建造しており、それによって約85万平方キロの領海を確保しようとしている。
 筆者は
 「日本の海洋意識はとても強い。海洋利権を獲得するために次々と巧みな方法を考え出す」
と述べた。
 筆者は
 「それに比べるとわが国の海洋意識はとても低い。
 ほぼ何も行動せず、やり方を変えようともしない」
と指摘。
 例えば、1999年に建造された北京の「中華世紀壇」というモニュメント広場には960枚の花崗岩石が引きつめられており、それは960万平方キロという中領土の広さを象徴している。
 しかし、
 「そこには海洋面積は含められておらず、こうした認識の低さから見ても中国が海洋領土を失うのは当たり前」
と述べ、中国の認識の低さを批判した。

 さらに、過去の時代にも海と隔絶していた中国は、人類社会が発展する1つの段階を逃してしまったとし、
 「中国は現代でも、戦略目標に『現代化』をかかげざるを得ない結果になってしまった」
と分析した。

 最後に筆者は、
 「中国が所有する海洋面積はとても小さい。
 もともと大きくない黄海は北朝鮮と韓国と分けあっており、東シナ海は日本と奪いあっている。
 南シナ海はすでに分割されてしまった。
 地図上からすると、日本が所有する海洋領土は中国の海洋領土の4倍以上もある。
 もしも日中の国民一人当たりの面積を計算するならば、中国は哀れなほど小さいのだ」
とつづった。


 「排他的経済水域」を含めた領土で大きさをみるべきだ
と言っているようである。
 だが、そういう視点でみても日本が中国より大きいなんて話は聞いたことがない。


* 海上保安庁海洋情報部の管轄海域情報ページ
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html


■注:以下の記述は、あくまで一般的な場合の説明です。
   厳密な定義は法令等を参照してください。

内 水
 領海の基線の陸地側の水域で、沿岸国の主権が及びます。
 但し、直線基線が従来内水とは見なされていなかった水域を内水として取り囲むこととなる場合に、外国船舶は無害通航権を有します。

領 海
 領海の基線からその外側12海里(約22km)の線までの海域です。
 沿岸国の主権は、その領土及び内水に接続する水域で領海に及びます。また、領海の上空並びに領海の海底及びその下にも及びます。
 但し、外国船舶は無害通航権を有します。

接続水域
 領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域(領海を除く)で、沿岸国が、領土・領海の通関上、財政上、出入国管理上(密輸入や密入国)、衛生上(伝染病等)の法令違反の防止及び違反処罰のために必要な規制をすることが認められた水域です。

排他的経済水域
 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)並びにその海底及びその下です。
 なお、排他的経済水域においては、以下の権利が認められています。
  1.天然資源の開発等に係る主権的権利
  2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権
  3.海洋の科学的調査に係る管轄権
  4.海洋環境の保護及び保全に係る管轄権

公 海
 いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分です。

大 陸 棚
 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)の海底及びその下です。
 なお、大陸棚においては,以下の権利が認められています。
  1.天然資源の開発等に係る主権的権利
  2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権
 大陸棚は原則として領海の基線から200海里ですが、地理的条件等によっては海洋法条約の規定に従い延長することが出来ます。

深 海 底
 人類共同の財産であり沿岸国の主権、主権的権利は及びません。



★.国土面積                  約38万km2
★.領海(含:内水)              約43万km2
★.接続水域                  約32万km2
★.領海(含:内水)+接続水域       約74万km2
★.排他的経済水域 (EZZ)         約405万km2
★.領海(含:内水)+排他的経済水域  約447万km2


[注].海で用いる長さの単位である「海里」については、地球表面上で緯度1分に相当する長さが1海里であり、メートルで表すと1,852メートル(1.852キロメートル)になります。


 要は上の「領海(含:内水)+排他的経済水域:約447万km2」が中国より大きいということなのだろう。
 Wikipediaにグラフがついている。
 これを見てみる。





 中国の国土は「約960万km2」で日本は「約38万km2」で、中国は日本の25倍の国土を持つ。
 その国土の中に中国は13億人、日本は1.3億人が住んでいるわけであるから、中国は日本よりも25倍もスカスカに住んでいることになる。
 領海と排他的経済水域 (EZZ)を合わせた面積は、中国は「88万km2」、日本は「448万km2」で、日本は中国の5倍の海を持っていることになる。
 これは当たり前で、島国で国の周りは海しかないのだから。
 では、「国土+領海+EZZ」の3つを加算したらどうなるか。
 上記のブログの筆者は、「中国より日本のほうが大きい」と言っている。
 計算してみる。
 中国は「960万km2+88万km2=1,048万km2」。
 日本は「38万km2+448万km2=486万km2」である。

 つまり、その面積は中国の方がはるかに大きく、日本の「2.16倍」ある。
 どのように計算したところで、海洋を含めてみても日本は中国の半分の広さもないのである。
 上記のブログはセンセーショナルに書いてあるだけで、
 全くの根拠なしのデマ
にすぎない。
 
 インターネットの世界ではこういうデタラメな内容があたかも真実かのように動き回る可能性がある。
 単純にマに受けると、エライ恥をかく
 このブログ、結構あちこちで取り上げられているが、まあまあ恥じかきっ子の多いことである。
 常に真偽を確認していかないといけない。
 何かおかしい、と感じようなものがあったら、信じてはいけない

 ちょうどオイルショックの時の、トイレットペーパー騒動と同じになる。




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