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● 海上保安庁海洋情報部の管轄海域情報ページ
インターネットを検索していたら出てきたのが下の記事
「日本は小国でない…実はわが国より大きい」という題。
本当だろうか。
そんな話、これまでまったく聞いたことがなかった。
『
サーチナニュース 2011年11月20日12時22分
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1120&f=national_1120_072.shtml
【中国ブログ】日本は小国でない…実はわが国より大きい
中国人ブロガーの「唯吾知足」さんはこのほど、
「中国人は、『日本は小さい』とよく言うが、
日中がそれぞれ所有している海洋面積を知れば、いったいどちらが大きいのかが分かるだろう」
と述べ、自身のブログで日中の海洋領土に対する認識の違いをつづっている。
筆者は、1つの国家が所有する海洋領土がその国の生存と発展に大きな影響を与えると述べ、
「日本は今年度内に排他的経済水域のよりどころとなる49の離島すべてに名前をつけるよう本腰を入れている」
と指摘、日本は排他的経済水域をより拡大しようとしていると述べた。
国土交通省は2010年度予算に7億円を計上し、日本最南端の沖ノ鳥島と最東端の南鳥島に埠頭を建造しており、それによって約85万平方キロの領海を確保しようとしている。
筆者は
「日本の海洋意識はとても強い。海洋利権を獲得するために次々と巧みな方法を考え出す」
と述べた。
筆者は
「それに比べるとわが国の海洋意識はとても低い。
ほぼ何も行動せず、やり方を変えようともしない」
と指摘。
例えば、1999年に建造された北京の「中華世紀壇」というモニュメント広場には960枚の花崗岩石が引きつめられており、それは960万平方キロという中領土の広さを象徴している。
しかし、
「そこには海洋面積は含められておらず、こうした認識の低さから見ても中国が海洋領土を失うのは当たり前」
と述べ、中国の認識の低さを批判した。
さらに、過去の時代にも海と隔絶していた中国は、人類社会が発展する1つの段階を逃してしまったとし、
「中国は現代でも、戦略目標に『現代化』をかかげざるを得ない結果になってしまった」
と分析した。
最後に筆者は、
「中国が所有する海洋面積はとても小さい。
もともと大きくない黄海は北朝鮮と韓国と分けあっており、東シナ海は日本と奪いあっている。
南シナ海はすでに分割されてしまった。
地図上からすると、日本が所有する海洋領土は中国の海洋領土の4倍以上もある。
もしも日中の国民一人当たりの面積を計算するならば、中国は哀れなほど小さいのだ」
とつづった。
』
「排他的経済水域」を含めた領土で大きさをみるべきだ、
と言っているようである。
だが、そういう視点でみても日本が中国より大きいなんて話は聞いたことがない。
『
* 海上保安庁海洋情報部の管轄海域情報ページ
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html
■注:以下の記述は、あくまで一般的な場合の説明です。
厳密な定義は法令等を参照してください。
内 水
領海の基線の陸地側の水域で、沿岸国の主権が及びます。
但し、直線基線が従来内水とは見なされていなかった水域を内水として取り囲むこととなる場合に、外国船舶は無害通航権を有します。
領 海
領海の基線からその外側12海里(約22km)の線までの海域です。
沿岸国の主権は、その領土及び内水に接続する水域で領海に及びます。また、領海の上空並びに領海の海底及びその下にも及びます。
但し、外国船舶は無害通航権を有します。
接続水域
領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域(領海を除く)で、沿岸国が、領土・領海の通関上、財政上、出入国管理上(密輸入や密入国)、衛生上(伝染病等)の法令違反の防止及び違反処罰のために必要な規制をすることが認められた水域です。
排他的経済水域
領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)並びにその海底及びその下です。
なお、排他的経済水域においては、以下の権利が認められています。
1.天然資源の開発等に係る主権的権利
2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権
3.海洋の科学的調査に係る管轄権
4.海洋環境の保護及び保全に係る管轄権
公 海
いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分です。
大 陸 棚
領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)の海底及びその下です。
なお、大陸棚においては,以下の権利が認められています。
1.天然資源の開発等に係る主権的権利
2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権
大陸棚は原則として領海の基線から200海里ですが、地理的条件等によっては海洋法条約の規定に従い延長することが出来ます。
深 海 底
人類共同の財産であり沿岸国の主権、主権的権利は及びません。
★.国土面積 約38万km2
★.領海(含:内水) 約43万km2
★.接続水域 約32万km2
★.領海(含:内水)+接続水域 約74万km2
★.排他的経済水域 (EZZ) 約405万km2
★.領海(含:内水)+排他的経済水域 約447万km2
[注].海で用いる長さの単位である「海里」については、地球表面上で緯度1分に相当する長さが1海里であり、メートルで表すと1,852メートル(1.852キロメートル)になります。
』
要は上の「領海(含:内水)+排他的経済水域:約447万km2」が中国より大きいということなのだろう。
Wikipediaにグラフがついている。
これを見てみる。
『
』
中国の国土は「約960万km2」で日本は「約38万km2」で、中国は日本の25倍の国土を持つ。
その国土の中に中国は13億人、日本は1.3億人が住んでいるわけであるから、中国は日本よりも25倍もスカスカに住んでいることになる。
領海と排他的経済水域 (EZZ)を合わせた面積は、中国は「88万km2」、日本は「448万km2」で、日本は中国の5倍の海を持っていることになる。
これは当たり前で、島国で国の周りは海しかないのだから。
では、「国土+領海+EZZ」の3つを加算したらどうなるか。
上記のブログの筆者は、「中国より日本のほうが大きい」と言っている。
計算してみる。
中国は「960万km2+88万km2=1,048万km2」。
日本は「38万km2+448万km2=486万km2」である。
つまり、その面積は中国の方がはるかに大きく、日本の「2.16倍」ある。
どのように計算したところで、海洋を含めてみても日本は中国の半分の広さもないのである。
上記のブログはセンセーショナルに書いてあるだけで、
全くの根拠なしのデマ
にすぎない。
インターネットの世界ではこういうデタラメな内容があたかも真実かのように動き回る可能性がある。
単純にマに受けると、エライ恥をかく。
このブログ、結構あちこちで取り上げられているが、まあまあ恥じかきっ子の多いことである。
常に真偽を確認していかないといけない。
何かおかしい、と感じようなものがあったら、信じてはいけない。
ちょうどオイルショックの時の、トイレットペーパー騒動と同じになる。
Scrap Book
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