2011年11月23日水曜日

カニの甲羅の透明化へ

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● たんぱく質を除去するなどして透明に加工したズワイガニの甲羅=京都大提供
 読売新聞より




毎日新聞 2011年11月21日 21時19分(最終更新 11月21日 23時01分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20111122k0000m040051000c.html


● カニの甲羅(上)。下は加工前の甲羅

カニ:京大研究所が甲羅の透明化に成功

 京都大生存圏研究所(京都府宇治市)の矢野浩之教授(生物材料学)は21日、カニの甲羅を透明にすることに成功したと発表した。
 熱に強く柔らかな材料として、有機ELディスプレーや太陽光発電の素材への応用が期待できるという。
 英国王立化学会の専門誌「ソフトマター」に掲載される。

 カニの甲羅は、「キチン」という高分子の極めて細い繊維からできている。
 研究グループは、化学処理してたんぱく質などを除いた甲羅に、アクリルなどの樹脂を染み込ませると透明化することを発見した。

 この原理を応用し、たんぱく質などを除いた甲羅を粉末にして紙でろ過し、樹脂を加えて透明シートを作製。
 シートはキチン繊維の効果で、元の樹脂より10倍も熱に強く、ディスプレー基板にも十分な強度があるという。
 ガラスと違ってロール状にもでき、加工も容易だ。

 矢野教授は
 「カニやエビだけでなく、将来は植物繊維も利用できるだろう。
 バイオマス資源の可能性がさらに広がった」
と話している。




2011年11月22日21時58分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111122-OYT1T00745.htm

カニ殻からガラスに代わる素材を開発

 カニやエビの殻から、折ったり丸めたり自在にできる透明で極めて薄い膜状の素材を作ることに、京都大生存圏研究所の矢野浩之教授らが成功した。

 極薄のディスプレーの表面材料を実現できる技術で、近く英国の材料専門誌に発表する。

 カニなど甲殻類の殻は、高分子繊維・キチンが塊のように集まり、それをたんぱく質と炭酸カルシウムががっちり固めているため、強いのが特長だ。

 矢野教授は、ズワイガニの甲羅から、化学処理でたんぱく質などを除去し、キチンだけに加工。
 この後、たんぱく質が抜けた隙間に透明樹脂を浸透させると、ガラス細工のように透明な甲羅ができた。

 この甲羅の粉末から、厚さ100~200マイクロ・メートルの透明膜を作製。
 紙のように軟らかいうえ、熱にも強く、約200度まで透明のままという。

 矢野教授は
 「ガラスに代わる素材が簡単にできた。
 生物が何億年もかけてつくった仕組みを借り、新材料の開発に応用できることを示せた」
と話している。


 これが利用できたらな、というものはそこそこある。
 こういう研究は昔から行われてきた。
 有名なのは石炭から石油を取り出す方法。
 石炭から石油は取り出せるがコストがかかりすぎる。
 でも、南アフリカはそうやって石油を得ている。
 石炭は無尽蔵だから、コストがかかっても構わない。
 つまりエネルギーがかかっても構わない。
 なにしろ石油が欲しい、というワケである。



 あるいは「トウモロコシの芯から食料を得る方法」。
 なんとなく、利用できそうに思える芯だが、いろいろな使われ方をしてはいるが、
 まだ食料は得られていない

 トウモロコシの穂軸は、合成繊維、プラスチックの製造などに使う液体フルフラールの重要な原料である。
 穂軸をすりつぶしたものは、柔らかめの研磨剤として利用される。
 特種なタイプのトウモロコシ、コブパイプコーンの大きく丸い穂軸は、タバコ用のパイプとしてつかわれる。
 コーン油は胚芽から抽出したもので、調理油やサラダ油として利用され、マーガリンにも加工される。
 その他、ペンキ、石鹸、リノリウムの製造にも利用される。


 でも将来に向けて、様々に研究されていくだろうと思う。



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