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● 朝鮮日報より
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/27 09:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/27/2011112700102.html
日本では退職した夫に洗濯機の使い方から教育
夫の退職後も幸せに暮らすには
「厳しい社会生活から引退して無力感に苦しむ“引退症候群”に陥らないためには、
仕事、
ボランティア、
趣味
の中で最低でも一つに取り組む必要がある」
などというアドバイスをよく耳にする。
しかし、退職した夫が無力感から脱却したからといって、老後の夫婦関係が円満になるという保証はない。
妻も「退職した夫に対する症候群」に悩まされるからだ。
「定年退職後40年」といわれる夫婦生活で、まず夫は家庭という枠組みに改めて入るという新米の心構えを持ち、ささいな仕事もいとわず、自ら変わろうとする意志が必要だという。
これは、専門家の間で一致する見方だ。
例えば昼食は自分で準備して食べ、簡単な家事は分担して行うことからスタートする必要があるということだ。
韓国以上に高齢化が進む日本では
「定年退職した夫向けの教育」
が幅広く行われている。
大韓家庭法律福祉相談院のヤン・ジョンジャ院長は
「洗濯機の使い方や電子レンジの使い方から始まり、
退職後に家族と幸せに暮らすための方法を教える教育が必要だろう」
などと指摘する。
子育てにばかり熱中し、夫婦間の絆や愛情を深める努力をおろそかにしてきたためか、韓国社会では「退職した夫に対する症候群」が非常に深刻だ。
この問題について、竜仁精神病院のパク・サンドク医師は
「退職した高齢夫婦でも、互いの絆を築くために改めて努力すれば、いくらでも円満な夫婦生活を送ることができるし、これらの症候群を克服することもできる」
と話す。
高麗大学心理学科の成瓔信(ソン・ヨンシン)教授は
「家庭内で夫のための空間を準備する必要がある」
と指摘した上で
「一般的な家庭では、妻が支配している奥の間や台所、そして子ども部屋を除けば、夫がいられるのはリビングくらいしかない。
夫が外からやって来た見物人のように家の中でうろうろせず、家庭に溶け込むには、
家庭の空間を改めて見直す必要があるだろう」
と話した。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/27 09:46
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/27/2011112700101.html
何もしない夫に妻の不満爆発、熟年夫婦の危機
毎日居間でゴロゴロしている、一日中パジャマ姿で妻の電話の会話に耳をそばだてる、どこにでもついて来ようとする。毎日三食きっちり準備しないといけない…。
定年を迎え、自宅でほとんどの時間を過ごす夫をめぐるエピソードは、急速に高齢化が進む韓国社会では、笑ってばかりもいられない深刻な問題となっている。
韓国保健社会研究院が16日に発表した「少子高齢化社会の国民意識調査」によると、
女性の71.8%が「年老いた夫の面倒を見るのが大変だ」と答えた。
同じ質問に男性の66.4%も同意した。
韓国の男性自らが
「年を取れば妻にとって迷惑な存在になる」
と認めた形だ。
■高齢化がもたらした試練
それでもこのような調査結果に男性はショックを受け、怒りを覚える。
「これまでずっと苦労し、家族の生計を支えてきたのに、引退後に稼ぎがなくなると、妻に見下されるようになった」
と嘆く声もある。
大韓家庭法律福祉相談院によると、過去1年間に相談を求めてきた男性の44%が60代以上の高齢者だった。
夫婦間の対立や離婚問題で悩むケースが大半で、結婚25年以上の男性相談者が昨年に比べ25%増えたという。
このような現象は30年前には考えられないことだった。
1980年には韓国の国民の平均寿命は65.7歳で、安定した職場で65歳の定年まで勤め続ける時代だった。
定年後に夫婦が共に暮らす期間は、長くても10年を超えることはまれだった。
しかし近年、高齢化が進み、「寿命100歳時代」が目前に迫っている。
50歳前後で早期退職した場合、定年後の夫婦生活は30-40年の長期にわたる。
このため、高齢夫婦間の「平和的共存」「トラブル管理」が非常に重要な問題として浮上している。
■適応できない男性
専門家はこうした現象について、どちらか一方が悪いのではなく、定年後30-40年を共に暮らす夫婦が、適応法を知らないことが原因だと指摘する。
高麗大の成瓔信(ソン・ヨンシン)教授(心理学)は
「年老いた夫が負担になる」
という表現は、『嫌だ』とか『憎い』という意味ではなく、『困る』という意味で、『目が覚めると会社に出勤し、夜中に帰宅していた夫が突然24時間ずっと家にいるようになって、
何をどうすればよいのか分からない
ことが困る』ということだ」と説明する。
成教授は
「妻は引退した夫の相手をしなければならない上、昼食、夕食まで準備し、気を使わなければなくなる。
さらには、定年で落ち込んだ夫の気持ちも慰めなければならない。
こうした状況で困らない方がおかしい」
と指摘した。
定年を迎えた夫も戸惑っている。経済発展の主役として社会の第一線で働いてきたものの、一人では何もできず、家事といえば、スプーンがどこにあるのかさえも知らなかったからだ。
■英国の男性を手本にせよ
韓国の女性が特にわがままで悪妻になりやすいのだろうか。
チョ・ジュウン女性・家族政策担当立法調査官は
「夫の世話を女性の役割としてきた韓国社会の慢性的な性別分業が問題の本質だ」
と分析した。
韓国の男性は定年後、自宅でほとんどの時間を過ごしているが、家事をほとんどしない。
韓国の65歳以上の男性による家事労働時間は1時間1分で、米国(1 時間49分)、英国(2時間48分)に比べはるかに短い。
特に妻が炊事に毎日1時間43分をかけるのに対し、夫は17分にすぎない。
宋多永(ソン・ダヨン)仁川大教授(社会福祉学)は
「時がたてばたつほど、家父長的な権威は薄れ、夫婦間の対等な関係が必要だが、ある一方の犠牲に基づく夫婦関係を維持することは難しい」
と指摘した。
その結果として、熟年離婚も増えている。
65歳以上の女性の離婚件数は、1995年には138件にすぎなかったが、昨年には1734件に増えた。
自活する能力がないのに、家父長的な権威を振りかざす夫は法廷でも断罪される。
昨年11月に裁判所は夫(80)から6年にわたり、生活上の細かい注意点を書いたメモを受け取り指示されていた妻(76)の離婚請求を認めた。
夫は
「タラは生じゃなく干しダラに、サワラはサンマに変えること」
「豆腐は高いから、チゲ(鍋料理)には3-4個しか入れるな」
などと妻に細かく指図していた。
■両性の平等がカギ
ソウル市で夫婦2人暮らしの高齢者は、昨年現在で26万1399人に達し、高齢者全体の28.1%を占めた。
ソウルの高齢者世帯の3分の1が夫婦二人で暮らしていることになる。
保健社会研究院のイ・サムシク少子高齢化社会研究室長は
「子どもの数が少ない高齢化社会では、両性平等が求められる。
家族トラブルの解決は夫婦間の公平から始まる」
と話す。
また、高齢者の世話を家族、特に高齢女性だけに任せるのではなく、社会的な支援の拡充が求められる。
宋多永教授は
「高齢者ヘルパーバウチャー事業や、高齢者長期療養保険制度などをさらに発展させ、整備していく必要がある」
と訴えた。
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