2012年1月4日水曜日

対照的な経営戦略:現代自はブレーキ、トヨタは加速

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● トヨタ・アクア:google画像より



朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/04 07:30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/04/2012010400626.html

現代自はブレーキ、トヨタは加速
対照的な経営戦略


 急成長で世界シェア5位の座を固めた現代・起亜自動車と、世界首位の座から陥落したトヨタ自動車が発表した今年の経営戦略は対照的だ。
 現代・起亜自は販売台数の伸びを1けた台に抑えた「減速経営」、トヨタは20%の販売増を柱とする「攻撃経営」をそれぞれ宣言した。

 現代・起亜自は、今年の世界景気が鈍化するとの見通しに注目している。
 トヨタが品質問題で大規模なリコール(回収・無償修理)に直面したことを教訓に「成長の痛み」を未然に防ぐ意味合いもある。
 一方、昨年の東日本巨大地震で業績不振に陥り、3年ぶりにゼネラルモーターズ(GM)、フォルクスワーゲンに抜かれたとみられるトヨタは、一気に形勢逆転を狙う。

 トヨタは最近、今年の世界での販売台数を前年比20%増の848万台とする目標を発表した。
 2007年の実績を上回る過去最高の数字となる。
 2000年代に入り、トヨタの販売台数が2けた台の伸びを示したのは、03年と04年だけだ。
 08年、09年、11年はマイナスだった。
 トヨタ関係者は
 「昨年第3四半期から生産設備の大半が正常化し、今年は
 新型カムリ、
 小型ハイブリッドカーの「プリウスc」(日本名・アクア)
が人気を集めるとみられ、目標達成は可能だ」
と説明した。

 一方、現代・起亜自は
 「今年の成長は6%で十分だ」と余裕を見せている。
 海外工場の大半で稼働率が100%を超えており、無理な拡張や順位争いで品質管理に問題が生じることを懸念しているからだ。
 鄭夢九(チョン・モング)現代自グループ会長は2日の仕事始めで「各国にある生産工場と販売会社の間で有機的な意思疎通と協力体制の構築が大切だ」
と強調した。
 同社の販売台数は09年に10.5%、10年に23.7%、11年に14.8%と3年連続で急成長を遂げたが、一方で組織に疲労が重なっていることも事実だ。
 今年はアバンテよりソナタ、ソナタよりグランジャーという具合に
 高級車販売に力を入れ、1台当たりの販売単価を高める
ことに努める。

 産業研究院のチョ・チョル研究委員は
 「今年は中国、インドでも新車需要の伸びが1けた台となるほど、景気見通しが暗いため、(量よりも)質を重視する方が安全だ」
と指摘した。

 しかし、トヨタがこれまで現代・起亜自が成長基盤としてきた新興市場に攻勢をかければ、現代・起亜自の戦略の見直しが避けられない見通しだ。
 日本のメディアによると、トヨタは今年から中東、アフリカで現地の生産設備を借り、半完成品を組み立て、販売を行う現地化戦略を取る計画だという。
 円高を避け、生産コストを下げる狙いがある。これにより、新興市場での販売を海外販売全体の45%まで引き上げる構えだ。

 大林大自動車工学科の金必洙(キム・ピルス)教授は
 「アフリカではトヨタと現代自のシェアは1ポイント前後の差しかなく、競争は激しい。
 新興市場でトヨタが攻撃的な戦略を取れば、市場を奪われる可能性がある」
と指摘した。


 トヨタのやらんとしていることは、エコカーを定着させることだ。
 「エコカーでないものは、車とは言わない」
という定義を浸透させることだろう。
 技術的に劣っている現代自動車を蹴落とす戦略である。

 十数年前から比べてガソリンの値は3倍になった。
 不景気になれば、イニシャルコストよりランニングコストが気になりはじめる。
 リッター20キロがせいぜいの現代より、30キロだせる日本のエコカーに強みのあることは明らかだろう。
 それをもくろんでの
 トヨタの「現代叩き潰し作戦」がこのエコカー大量販売作戦

である。
 現代としては小型サイズではトヨタに太刀打ちできない。
 安値攻勢でどこまで対抗できるかが勝負の鍵になる。
 「エコ対安値」の構図である。
 現代としてはさらなる安値をしたくはない。
 身を削ってしまう。
 さすればターゲットを中型から大型にシフトせざるを得なくなる。

 でもこういうトヨタのやりかた、あまり感心しない。
 量で相手を叩き潰すのではなく、住み分けをはかれるようにすべきだろう。
 トヨタの勝利に終わればこれまで拡大路線をとってきた現代はその拡張のツケで一気に潰れる。
 半分国策会社の現代だが、支えきれなくなれば中国に買収される可能性もある。
 日本ならトヨタが潰れたら、話題となり経済混乱が多少は起こるだろうが、大局的にはどうということもない。
 いくらでも、かわりの自動車会社はある。
 風通しがよくなってくる、といった程度にしか問題にはならない。
 でも現代が潰れたら、韓国は非常事態になる。
 「トヨタたたき」はトヨタに対する妬み恨みで発生している。
 トヨタは再びその状況に足を突っ込もうとしている。
 
 現代は技術革新に金を掛ける時期に拡大路線に走ってしまった。
 そのため市場に名を占めることには成功したが、そのぶん技術革新に遅れをとってしまった。
 目先に欲に釣られてしまったのである。
 これから、技術を深めると言っているが、技術の進化は速い。
 周りは特許の壁に囲まれている。
 特許に触れずに新しい技術を生み出すことは、今の情勢では不可能である。
 ピークから下りに入っているのが現代自動車の状況。
 どう抜けだすか。
 自力開発はもう無理。
 特許を使わせてもらうしかない。

 ハイブリッドならトヨタ、ホンダから特許をライセンスすることになる。
 現代はハイブリッドはやらないといっているので、起亜が実行することになる。
 現代はプラグインを目標に掲げているが、そうするとニッサンか三菱。
 三菱は現代自動車の産みの親。
 だが、過去の関係からそこに泣きつけるか。
 可能性ならルノー傘下に入ったニッサンが有力。
 既存エンジンの改良も視野に入る。
 だが、マツダがスカイアクテイヴのライセンスを出すだろうか。
 ニッサンのターボチャージャー方式になるか。
 いまのところ現代が泣きつける先はフランス系のニッサンしかないかもしれない。

 10年後の現代がどうなっているか。
 アップルと喧嘩するサムスン、技術的に暗闇状態にあるヒュンダイ。
 韓国の産業は大きく変わらねばならぬ時代に入ってきているのではないだろうか。
 舵取りをあやまると、奈落が待っている。

 日本にとって韓国は、お得意さまである。
 輸出が輸入の倍ある。
 下手に潰れてしまっては困る。
 トヨタのような戦略は疑問である。
 やはり住み分けしないといけないのではないだろうか。


 
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