2012年1月13日金曜日

何かおかしい韓国の雇用と大学卒

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/13 11:14
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/13/2012011301280.html

厳寒の中、中小企業の経営者が徹夜で並ぶワケ
外国人労働者の雇用許可を求め、数日間も長い列


強烈な寒波が全国各地を襲う中、中小企業の経営者たちは外国人労働者を雇うため「野宿」をしている。
このような光景は全国の雇用センターで見受けられる。

11日午後10時ごろ、京畿道議政府市佳陵洞の議政府雇用センター前は巨大なキャンプ場と化していた。
車道には30台以上の車が停車し、歩道にはテントが張られていた。
ある大型テントの前では、10人以上が飲食店用のLPガスボンベにバーナーをつないで寒さをしのいでいた。

ここで路上生活をしている200人は議政府、東豆川、揚州、抱川の中小企業経営者たちだ。
彼らの目的は、ここで12日午前9時から先着順で配布される「外国人労働者雇用許可書」を受け取ることだ。
この日は議政府だけでなく全国51カ所の雇用センターで同じような光景が見受けられた。

■外国人労働者を雇用するため路上に長蛇の列

今年上半期に中小企業に割り当てられた新規の外国人労働者数は2万5000人。
対象はインドネシア、フィリピン、ネパール、カンボジア、バングラデシュなど15カ国の出身者だ。
中小企業は外国人労働者雇用許可書の交付を受けなければ、外国人労働者を正式に雇うことができない。

しかし、この数は企業の現場で実際に必要とされる人員の数よりもはるかに少ない。
中小企業中央会の調査結果によると、今年、中小企業が必要としている新規の外国人労働者数は9万8881人。
これに対し、現場に割り当てられる人数は下半期の分を合わせても4万9000人で、需要のわずか半分だ。そのため申請日が近づくと、中小企業各社は野宿をしてでも人材を確保しようと長い列を作っているのだ。

抱川で繊維工場を営むシン・ホンスさん(50)は、2日前の9日午後4時から並んでいる。
寒さをしのぐため50万ウォン(約3万3300円)の黄色いテントを購入したというシンさんは
「初日は地面に直接横になったが、骨まで痛くなるほど寒かった。
このままでは外国人労働者を雇う前に自分が凍え死んでしまうと思いテントを買った」
と話した。他の経営者たちも3000ウォン(約200円)ずつ出し合って大型のシートやLPガスボンベなどを購入し、寒さから身を守っている。

テントの中に入ると、ガスのにおいが充満して10分もたつと頭が痛くなった。
高校2年生のチェ・ソンイさん(17)は、女子高生にもかかわらずこのテントの中で2泊3日を過ごしていた。
チェさんは
「両親は繊維工場を経営しているが、2人とも仕事で忙しくここに来られないため、自分が代わりに並ぶことにした」
と話した。

抱川にあるチョフン繊維の社長で、チェさんの隣で暖を取っていたPさん(52)は
「外国人労働者1人を雇うために大騒ぎだ。本当に頭にくる」
と言いながら、かぶっていた毛糸の帽子を脱いだ。

夜が深まると寒さはさらに厳しくなった。
並んでいた経営者たちはそれぞれ順番を決めて番号票を配布し、午後9時、午前0時、午前3時の3時間ごとに順番をチェックした。
番号票を受け取った人は、雇用センターの駐車場に停めてある車や、観光バス、24時間営業の銀行ATMブースなどで休息を取り、時間になると確認のために集まった。
ちなみに駐車場に停車していたバスは1日4万ウォン(約2700円)で借りたものだという。
午前0時のチェックにかかった時間はおよそ15分。
記者は手袋をしていたが指はかじかみ、ブーツの中の足もすでに感覚がなくなっていた。この15分間は1時間以上にも長く感じられた。

■月200万ウォンでも働き手はいない

議政府雇用センターは12日、100社の中小企業に「外国人労働者雇用許可書」を交付した。
交付を受けた企業は、1社当たり1人から3人の外国人労働者の雇用を申請できる。徹夜で並んだ人の半数は交付を受けられたが、残りは追加の割り当てを受けるまで引き続き数日にわたり列に並ばねばならない。

中小企業が外国人労働者を雇うためにこれほど苦労しなければならない理由は、2009年から政府が外国人労働者の割り当てを08年(6万800人)の20%となる1万3000人に削減したからだ。
国内の雇用事情が悪化した状況を受け、自国民の雇用を優先させるためだった。
これに対し、中小企業の経営者らは「韓国には働こうとする人間がいないのに、外国人労働者の人数を減らしたらどうなるのか」と強く反発している。

揚州で軍手を製造するセジンテックのカン・ギョンファン社長(30)は
「新入社員は月180万ウォン(約12万円)、中途採用の場合は250万ウォン(約16万6000円)の給与を払うが、それでも韓国人はスーツにネクタイを締めて(オフィスで)仕事をしたがる。
われわれ(のような製造業の現場)には振り向きもしない」
と嘆いた。
靴下を製造するチソン実業のオ・スンナン社長(60)も
「最近は工場の自動化が進んでいるので、手に油がつくこともない。
それなのに、いくら人材を募集しても応募してくる人はいない」
と語る。

政府は10日、農業、畜産業、建設業、サービス業にも外国人の雇用許可の交付を始めた。
26日には水産業の雇用許可も新たに交付される予定だ。
そのため最近は、農業関係者が雇用センター前で列を作り、ガスレンジを持ち込んで自炊する光景も見受けられる。

政府も雇い主側の苦労を考慮し、最近になって外国人労働者の人数を少しずつ増やし始めている。
雇用労働部(省に相当)の関係者は
「外国人労働者の割り当ては世界経済の動向や国内での人材需要、韓国人の雇用情勢などを総合的に考慮した上で決めたい」
とコメントした。


なにかおかしい。
日本の大学進学率はだいたい45%ほど。
韓国のそれは80%。
韓国の若者は5人に4人は大学にいき、中小企業への就職を拒否する。
とはいえ、誰もが大企業に就職できるわけでもない。
日本の状況をみれば、決して大企業とて安泰ではない。
とくに昨今の工業社会から報業社会への移行は、会社の売買すらビジネスの一つになっている。
入りました、入社会社が売られました、なんてことは当たり前になる。
特にこの社会にあってはそのテンポが非常に速い。
サムスンだって現代だって、あと10年後に存在しているかどうか不明である。
おそらく今の形では存在していない、というほうが答えとして正しいだろう。
なぜなら、この変化の速さは決して今日のままであり続けることができないように仕組まれているからである。
もうちょっと何とかしないと、ヤバイような気がするのだが。
今はピークにある。
韓国社会のウエーブは下向きに入ったといってよい。
これからどうするのだ、そこを考えないといけないように思うのだが。



朝鮮日報 記事入力 : 2012/01/13 13:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/13/2012011301586.html

【コラム】何のために会社を営むのか
   
2008年、韓国財界トップ10に入るある大企業に製品を納品していたA社の社長室には、会社を倒産の危機に追い込んだ製品が並んでいた。
大企業の研究所が提供した金型の新技術で生産し、納品した製品だった。
きらきらと光輝く表面の効果で、従来の製品より優れていたその製品は、韓国国内では何の問題もなかった。 
しかしアフリカ・中東などに輸出するや、問題が発生した。
暑い地方に行ったところ、小さな気泡が発生したのだ。

A社は、大企業が指示した工程通りに製品を生産し、納品しただけだった。
大企業の研究所が直接確認作業を行ったが、彼らが指示した工程から外れた部分は全くなかった。
しかし大企業は、不良が生じた原因を、自分たちが開発した新技術のせいではなく、A社の生産上の誤りだとして責任を転嫁し、40-50億ウォン(現在のレートで約2億7000万-3億4000万円)相当の不良品の在庫すべてをA社に押しつけた。
A社の社長は激怒したが、激しく抗議して対立すれば会社が倒産の危機に追い込まれるどころか、本当に倒産してしまうため、どうすることもできずにいた。
後日、その大企業の生産協力室がA社の事情を把握し、会社の最高経営陣に報告した。
その後、大企業はA社に背負わせた不良品の在庫を半分に減らした。

ここまでなら、
「中小の納品業者と共に生き残ろうとせめてもの努力をする一大企業の物語」
で終わっただろう。
ところがその後も話は続いた。
08年下半期のリーマンショックで、グローバル金融危機が押し寄せた。
その直後の人事で、この大企業は、まず最初に生産協力室の組織をカットした。
副社長1人と役員4人のうち、役員1人だけを残し、そのほかの社員は全員会社を去った。
不況がやって来ると、納品業者の立場を社内に伝える生産協力室は「目の上のたんこぶ」のような存在だった。
かつてA社に転嫁した責任を、半分とはいえ再び背負ってくれた最高経営層の決定も、実際は「共生のまねごと」でしかなかったことが明らかになった。

韓国実業家精神の伝統は、
時代や国家の課題を企業が背負う、
というものだった。

故・朴泰俊(パク・テジュン)ポスコ名誉会長は
「必ず会社を成功させ、祖国近代化の牽引車になろう」
という使命感と「製鉄報国」精神で浦項製鉄を創業し、率いてきた。
サムスンの創業者、故イ・ビョンチョル会長も同じだった。
イ会長は
「第一製糖の創立から2年で、わたしは巨富の称号をもらった。
一身の安楽のためには、それで十分だったろうが、蓄財を目的とするよりは、むしろ新生祖国に寄与できる新しい事業を模索していた。
実業家は、国家に何が必要なのかを発展的に把握し、一つ一つ新しい企業を段階的に興していくとき、この上ない創造の喜びを持つ」
と語った。
いわゆる「事業報国」だ。

大企業と中小納品業者の同伴成長が大きな話題となった一年がすぎた今、各企業は早くも不況の冷気に震えている。
今年はさらに不況がひどくなるだろうと、各社が予想している。
多くの大企業がそれぞれ打ち出してきた同伴成長案や社会貢献活動の真実性も、不況という試験台に上る。
その時、実業家は、何のために会社を営んでいるのか自問してみてもよいだろう。
生存と無限の拡張だけが最高の価値なのか。
あるいは、企業を取り巻く国家と社会、その構成員と共に健康に成長することなのか。






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